film review

● 2010年
スタンリー・キューブリックの2001年宇宙の旅から9年後。前作ディスカバリー号が消息を絶ってから学会を追放されたフロイド博士は、ソ連の宇宙開発担当者からのたれ込みに乗っかり、ソ連製レオノフ号でディスカバリー号を目指す。当初は米ソ冷戦の緊迫した雰囲気だったが、フロイドは同乗する仲間たちとともにディスカバリー号の故障の原因を突き止めようと奮闘する。前作にも登場した黒い人工物モノリスとは?ディスカバリー号が軌道上をランデブーする木星とその月エウロパには何があるのか?

やっと謎が解けた!

前作2001年宇宙の旅は謎が多すぎてポカーンだったのですが、だいぶ謎が解けましたし、最終的に解けなかった謎についても推測できるようになりました。2001年についてはなんて言うか、世界観と「キューブ」ばりのパニックスリルを味わうのが醍醐味かと思っていました。

ちなみに今作の監督はキューブリックではありません。よかった。

結末としては「アビス」に似ています。アビスは海底人が自然の脅威を作り出しており、争いをやめることを強いたんですが、本作ではその教示を施す役割がモノリスであります。

本来のモノリスの役割は新しい生命が生まれようとしているエウロパに圧倒的な力を持つ人間が介入しないように警告し、そして第二の太陽の誕生を促進すること。

モノリスは何者なのかということについて、私は「人間的役割をする物体」だと考えています。人間は生物学的に見れば霊長類の一種ですが、哲学的に考えると考える葦ですし、多角的に考えると一つの何かに定義できないと思うのです。猫にとって人間は同居人、家族、従属などと言えますが、人間にとってのモノリスもそういうものかなと。人工物であり、物体であり、メッセージ。何とは言えないが大きな力の指し示すところを教示するのがその役割であります。

今現在北朝鮮とアメリカの関係は危機的であります。米ソ冷戦に比べれば規模の小さいことはわかるのですが、日本にとっては国家としても危険であり一人の人間としても耐え難い恐怖であります。こういう、戦争やめろ仲良くしろ的メッセージ、宇宙からお待ちしています…(モノリスと言うよりアビスの方が的確)。
2017/04/18 21:58

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