第三回 本編

ア「私はアン=ローゼンだ。年齢は十六だ。以上」

ビ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!! それ自己紹介って言わないから! もっと色々個人情報流出させなさいよぉー!」

エ「アン様の情報なんて、超機密事項よ。……死ぬ覚悟、あるのかしら?」

ビ「ビルダちゃんの為じゃなわいよー。視聴者の皆さんの為に、アールフィルトの良いところをアピールしなきゃ。ほら、どうなのよエリーザ」

エ「うっ……! 確かに、アン様の良い所は星の数ほどあるわ。それを知ってもらいって気持ちは私にも勿論あるわけだけど、でも!」

ビ「言っちまいなさいよぉ〜」

ア「私の良いところなど、エリーザさえ知ってくれていればよい」

エ「ア、アン様〜〜!!」

ビ「駄目だこの馬鹿主従コンビ。……はぁ。じゃぁエリーザ自己紹介しちゃってよぉ」

エ「ふふ、いいわよ。私はエリーザ=クロブッファ。年齢は二十四歳なの。趣味はアン様のお世話をする事よ。職業? ……ふふ、聞いたら命の保障はできないけど?」

ビ「結局何も分からないまんまじゃない」

ア「言ってしまったら、“ねたばれ”というものになるのだろう?」

ビ「そ、そうだけどぉ。でももっと面白みのある回答してくれたっていいじゃない!」

ア「必要ない」

ビ「うっわ、真顔で言われた! ……でも、これじゃ適合者に比べて全然中身がないのよねぇ〜」

エ「失礼しちゃうわね。私達は一生懸命答えているのに」

ビ「一生懸命!? どこがぁ!!? どこら辺が――」

エ「死にたいの?」

ビ「うっ! ……って、さっきから脅されまくりなんだけどぉ」

ア「ふむ。ならば私が今後の貴様の運勢でも占ってやろうか?」

ビ「あ、そういうのが欲しかったのよビルダちゃんは! ていうかアールフィルト、あんたそれなら自己紹介で特技は占いって言いなさいよ」

ア「これは特技とかそういうものではない。ある意味で体質だ」

ビ「そうだったぁ?」

エ「アン様は特別なのよ。さ、アン様。占いを」

ア「ふむ。……ビルダの運勢は――」

ビ「運勢は!?」

ア「もう暫くは意中の相手と出会えない、と出ている」

ビ「はぁぁああぁぁ!!!?」

エ「あら、残念だったわね」

ビ「じゃぁ、ここでバイソンちゃんに会うのっていつになるのよ!!」

ア「知らん」

ビ「占ってぇぇえぇぇぇえ!!」

ア「無理だ」

ビ「ちょ、そこはもうちょっと引っ張んなさいよ!」




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