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あれ?これって……。

「は、離してくだしゃいぃ……」
「ふはっ!どうしたの噛んでるよー」
「う、うるせー!」

俺の手を解こうと手を掴んでくるけどそれって逆効果。すっごく可愛い。

たまらなくて、顔真っ赤な聡一郎君にちゅっと軽くキスをした。

初めてキスをしたときは呆然として「えー……」としか言わなかった聡一郎君。
それがどうしたことか、今日はなんだか可愛い反応しまくりだ。

もごもごと唸りながら目が泳いでいる。すごく意識されてる感じ。

「……ホントどうしたの?何かあった?」
「や、うーん……」

やばい、顔がにやけてしまう。これってマジでいい感じなんじゃないの?

俺はそっと両手を外して肩に手を回し、顔を傾けて優しく聡一郎君の唇を啄ばんだ。
抱きしめた体はすごく緊張してる。

少しの間そうして優しいキスをして額をくっつけながら間近で囁いた。

「キス、やだ?」
「…………」

わざとそう言ってみると、困ったように聡一郎君が眉尻を下げる。

そんな顔されたらもっと苛めたくなるなぁ。

「そーいちろーくん?」

吐息混じりに囁くと、聡一郎君が両腕を胸に突っ張って俺を引き剥がした。これは珍しい反応だ。

聡一郎君はぼんやりしてるっていうか、スキンシップもキスも別に構わないって感じでいたのに、今日に限ってずいぶんと可愛いことばかりする。

俺はなんだか機嫌が良くなって距離を取った聡一郎君を追いかけた。

「聡一郎君」
「なんっ……ですか」
「マジで今日はどうしたの?俺試されてる?」

笑いながらそう言うと、やっと聡一郎君が俺を真正面から見た。
いつも思うけどくりっとした目が可愛い。黒目が大きいんだよな。

「や、その……」
「んー?」

ちゅ、と赤い目尻にキスを落とす。そして耳たぶや、頬にも。

「俺、今三年じゃないですか」
「ん?そうだね」
「来年卒業しますけど」
「うん?」
「えっと……そしたら別れるんですか?」

ピタ、と俺が固まってしまった。

「こう……一年契約的な?そういうのですか?」
「いや、あの……何の話?」

聡一郎君の会話が謎過ぎて俺は混乱しながら彼を見下ろした。聡一郎君とは3歳くらいしか違わないはずだけど、もう若者の会話についていけなくなったのか?

しかし聡一郎君は真剣な瞳で俺を見つめてくる。
マジな話なのかこれ。ていうかどうして付き合ったばっかなのに別れる前提なわけ?

「……別れたいの?やっぱ俺は――ていうか男は無理?」
「あ、や、ち、違うんですけど。あの……だって、香月さんDKが好きなんでしょ?俺卒業したら高校生じゃなくなりますけど」
「あーそういうこと」

なんという斜め上の発想。いや、俺の最初の口説き方もまずかったな。



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