7


俺がまさか彼氏にお持ち帰りされる日が来るなんて。うわ、めっちゃ興奮する。
チェックイン手続きは紘人がやってくれて、それが終わるとエレベーターに乗り込んだ。
密室をいいことに紘人の腰に手を回してベタベタしてたけど、その時間は短かった。

「透、この階だから。降りるぞ」
「んー?うん」

背中を叩かれてエレベーターを降りる。
絨毯敷きの静かな廊下を歩いてても他の客とは会わなかった。ここまで無人だと、なんかこう、お忍び感があっていいなぁ。

指定された部屋番号を探して鍵を開けると、入室とともに室内灯が自動でついた。
シンプルでスタイリッシュな部屋の中は思った以上に広かった。
セミダブルベッドがふたつ並んでいて、リラックス効果を狙った暖色灯に照らされている。
どこか無機質な香りのする部屋は、同棲中の自宅では味わえないかすかな緊張感がある。

あーやばい。すげーくらくらする。
これ、アルコールで血の巡りが良くなってるせい?それとも彼氏とホテルに来てるこの状況の昂りのせいかな。
俺の彼氏こと紘人は俺の腕から抜け出して、ソファーにバッグとジャケットを置いた。
そして溜め息を吐きながらネクタイの根元を緩めた。

その姿のなんともいえない色気ときたら!年上の男の魅力っていうの?
正直たまんない。二人っきりなんだし、もう我慢しなくていいよね?
外ではギリギリ保ってた体裁や理性を忘れて、俺も自分のバッグをソファーに放ったあと背後から紘人を抱き締めた。
耳の後ろに舌を這わせれば、細い体がピクッと揺れた。

「と、透……」
「ん……」

名前を呼ばれて吐息で返す。
耳の軟骨に歯を立ててコリコリ優しく刺激しつつ舌先でくすぐれば、紘人の口から押し殺したような小さな声が漏れた。
なんか俺って噛み癖あんのかな?紘人とやってるとき、何故か無性に齧りつきたくなるんだけど。
まあどうでもいっか。今は細かいことなんて考えたくない。
とにかく紘人とエッチしたいって、脳内はそれだけで埋め尽くされてる。

スラックスからシャツの裾を引き出して、中に両手を差し込んだ。
汗で湿った肌を撫で上げる。平らな胸を両掌でさすってると、やがて小さな突起が控えめに主張してきた。ちくび発見。
耳を齧りながら指先で乳首をくりくり押しつぶす。そうしてたら紘人の声が甘くなった。

「あ……ぁ」
「紘人、かわいい。すげー好き。ねぇ……していい?」

酔っ払って頭の回らない俺はひねりのない言葉で誘い、ついでに紘人のお尻に硬くなっちゃってるムスコさんを押し付けた。
今なら冷たくあしらわれたところで逆にムラムラするだけ。
無敵の気分でうなじに音をたててキスを繰り返し、紘人の乳首を指で弄んだ。
感じてるのか、何度もビクンッと敏感に紘人の肩が跳ねる。
体臭とアルコールの匂いが混ざり合って首筋から甘く香る。なんでこの人はこんないい匂いがするんだろ。

俺の腕の中でもがいた紘人が、体をよじって俺のほうへと向き合った。
肩に手を添えられたから、引き寄せられるようにキスをした。
しっとりした紘人の下唇を自分の唇で挟むと、気持ちよすぎて頭のネジがさらに緩んだ。

「透……」
「ん?」

キスをしながら囁いた紘人は、俺の股間に手を置いた。そのまま優しく撫でてくる。
布越しの刺激でも下半身に熱が一気に集中した。
あれ、紘人さんもやる気満々?
わりと潔癖入ってる紘人はセックスの前にシャワー浴びたがるのに珍しい。今すぐやりたい俺にとっては好都合だけど。
とはいえずっと外で飲んでたし俺も汗かいてるから、紘人が気にするならその間くらい待つよ――って言おうと思ったけど、その前に遮られた。

「透……きみが嫌じゃなかったら、このまますぐに、その……」
「えっ、嫌なわけないじゃん。てか、いーの?」
「だから言っただろ。僕も酔ってるって」

待てない、今すぐしたい――そう言って俺を見上げてくるブルーの瞳は熱っぽく潤んでいて、目元がほんのりと赤い。
やばい、最強に可愛い。そしてエロい!
そのとき何故か笑いがこみ上げてきちゃって、笑いながら紘人の腕を強引に引っ張った。
ベッドに沈めて上に乗れば、紘人に戸惑った表情が浮かんだ。

「もー紘人さんえっち。ほんと大好き」
「と、透?」

紘人の上に跨ったまま、ふふふ、と変な笑いを漏らしながら上着を脱ぐ。
肌にまとわりついてた布がなくなると開放感で気分が良くなった。
脱いだ服をそのへんに投げ捨てて、赤くてつやつやのおいしそうな紘人の唇を遠慮なく食んだ。

「んんっ……ふ、ぁ」
「ん、ぅ」

柔らかくて弾力のある唇を何度もちゅっちゅと啄ばむ。
舌を絡めたらさっきまで飲んでた酒の芳醇な匂いがして、醒めはじめてた酔いがまた戻ってきた気がした。
酔ってするキスは普段より感度が上がる気がする。だからキス魔になっちゃうし、いつも以上にしつこくやってしまう。
特に紘人の唇は形の良さもさることながら感触も抜群。気持ちいいっていうより「おいしい」としか思えない。

そうやって唇と舌を堪能してたら、俺の胸に紘人の指先が這ったんで思わずエロ声が出た。
やべ、乳首気持ちいい。チンコが萎れる暇がない。


prev / next

←back


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -