8


紘人が愛撫してくれてる間に、俺もお返しみたいにネクタイを解いてシャツのボタンをはずした。
インナーシャツを押し上げて薄い胸元をさらす。
さっき俺が夢中で触ってるうちに引っかいちゃってたみたいで、敏感な白い肌がところどころ赤くなってた。
それが傷跡に似た生々しさがあって、ただの裸より数段エロく見える。

「実はさ、スーツ着てる紘人とやってみたかったんだよね、俺」
「え……?あ、ど、どうして?」
「スーツの紘人ってすげーかっこいいしエロいし。しかも仕事帰りとか最高じゃん?」
「物好きな……」
「そう?えー、普通だと思ってたけど、俺ってけっこー特殊?」

なんかまたおかしくなっちゃって声を上げて笑った。
ダメだなぁ、酒入るとちょっとしたことでも楽しくなるスイッチが入る。
一人で笑ってたら、つられたみたいに紘人も小さく笑いはじめた。
もちろんそんなことで性欲がなくなるわけもなく、紘人の耳を咥えてはむはむと噛んだ。

「ん……っ」

耳から首筋にかけてキスで辿り、乳首を舌先で舐め上げると、紘人の笑い声はだんだんと喘ぎに変わっていった。
固く尖ったそこを舌で弾くたびに紘人の腰が艶かしく跳ねる。
素肌から立ち上る汗の匂いが雄っぽくて、興奮が増した。

もう何言われても止めない。満足するまでヤリまくりたい。つーかする。

紘人の服を脱がす時間すら惜しくて、半端にはだけた場所をムリヤリ広げて愛撫する。
唇と手を使って、撫でたり引っかいたり、キスしたり、やわく噛んだ。
そうやって紘人の体を味わうのが好きでたまらない。
紘人もやらしー声を上げて体をよじってる。それが家でやるときと違って抑え気味の声だから、余計エロく聞こえる。
ビジホって壁薄いだろうし、お隣に聞こえちゃうもんね。いるかどうか知らないけど。

「あ、ぁ……とお、る……」
「どこがいいの?教えて」
「む、胸……」

耳元で息を吹きかけながら囁けば、上ずった声で返ってきた。ほんと、今日はメチャ素直。
嬉しくなって紘人の唇をたくさん啄ばみながら、リクエストどおり乳首を指で摘んでくにゅくにゅと弄ぶ。
そして俺も俺で、ボトムスをずり下げて勃起をパンツ越しに握らせた。
だけど何も言わなくても、紘人の利口な手はパンツの中を探ってチンコを直に擦り上げてくれた。
しっとりした手で扱かれたらマジ気持ちよくて、カウパーだだ漏れ状態。

「ん……それいい、紘人、あ……」

俺も紘人も興奮と快感ではぁはぁ息を乱した。
気分は最高潮。視線を交わしたら、次にしたいことが紘人にも通じたみたいだった。

「……と、透、あの」
「なぁに?」
「コンドーム、が――」

ああ、持ってますよ、ちゃんと。使いきりのローションも一緒にね。
俺んちにそういうの置いてなかったから、バッグに抜かりなく忍ばせておいたやつが――って言おうとしたら、紘人が予想外の台詞を続けた。

「僕の、カバンの中に入ってる……」
「はい?」
「家に常備してあったものが、終わりそうだっただろ。それを思い出して……今日、帰り途中に買ってきたんだが」

実はそのせいで待ち合わせに遅れそうになったんだ、と恥ずかしそうに暴露する紘人。
てことはなに?飲んでる間、あのビジネスバッグの中にゴムの箱が入ってたってこと?
一郎さんたちに渡す名刺を取り出したそのときにも、俺と使うためのゴムがすぐそこにあったって?
なにそれ、すっげー滾る!
俺とのセックスが生活の一部っていうの?そうやって気にしてくれてる紘人が愛おしい。

「うれしー、ありがと!さっそく新品おろしちゃおっか?」
「あ、ああ……」

紘人さん、顔まっ赤。全然恥ずかしいことじゃないのにな。そういうとこも可愛いけど!
俺がバッグあけちゃっていい?って聞いたら大丈夫って言われたんで、目的のものを取り出した。ついでに俺のバッグからローションも。
まだビニールに包まれたままの箱をぺりぺり剥いで、ゴムの準備オッケー。
その間に紘人もスラックスを脱いじゃってた。すらりとした長い足が超セクシー。

「透……」

息の上がった甘え声で呼ばれたから、キスで返した。
とろとろの唾液を舌で絡め合って唇を深く重ねる。俺も紘人も身体が熱い。合わさった唇から溶けちゃいそう。
キスしたまま紘人の股間に手を這わせた。
通気性のいい夏用パンツは薄手で、盛り上がりがくっきりしててエロい。先端部分が濡れてそこだけぬるついてる。

そこを隠してる布が邪魔で剥ぎ取ろうとしたのに、薄い生地だからか汗で肌に張りついちゃっててうまく脱がせない。
我慢できない俺は太腿の途中で脱がすのを諦めて、紘人を横向きに転がしたあと生の尻を撫でた。
早くこの気持ちいいとこに突っ込みたい。

「あ……とぉ、る……」
「指、入れるね」
「……んっぅ」

ローションを指に乗せて丸い尻の谷間を撫でた。
ひくついてる襞を優しく撫でてから指先を潜り込ませる。指をギュッと締め付けられるけど構わず中に入れた。
紘人は上手に飲み込んでくれて、指一本くらいもう余裕みたい。
それでも痛がらせたり緊張させないように耳元や頬にたくさんキスをする。

「あ、あ、ぅ……ん」

可愛い声を堪能しながらアナルを解して、中も外もローションまみれにした。
横向きだと中のイイとこはわかんなかったけど、時々ビクッとしてたから指が当たってたらしかった。


prev / next

←back


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -