忘却大陸物語

しばらく揉んだり指を増やして広げたりしていき、指を三本飲み込んだところでジンイェンは慎重に聞いた。

「どう？いけそう？」

彼の言っている意味を察し、エリオットはこくこくと頷いた。もう体の奥がうずいてたまらなかった。

「ジ、ジン……」
「じゃ、挿れるね？」

ジンイェンのペニスもすっかり張り詰め、エリオットの中に入りたいと先走りを滲ませていた。
限界まで固くなったそれにも香油を塗り込めて先端をアナルに宛がう。ぬちゅ、と接合部が卑猥な音をたてた。
ジンイェンの先端がエリオットの中にぬるりと滑り込み、時間をかけてすっかりと収まった。

「ん……入ったよ。エリオット、痛い？大丈夫？」
「痛い……けど、我慢できないほどじゃない……」
「それって魔術のおかげ？」
「た、ぶん……」

エリオットは浅く呼吸しながら信じられない思いでいた。――本当に彼と繋がっているのだ。
結合部が開かれる疼痛はあるが、覚悟していたような引き裂かれるような痛みはさほど感じなかった。
かわりに中を押し上げるような圧迫感がすさまじくどっと汗が吹き出る。

ジンイェンがふぅ、と息を吐きながらエリオットにキスを落とした。
繋がっていることを馴染ませるようにしばらくそのままの体勢で、ジンイェンに唇や首筋に何度も軽いキスを落とされる。シーツにすがり付いていた手に指が絡みぎゅっと強く握りこまれた。
それらはとても愛情を感じる行為で、エリオットは胸がいっぱいになった。

「……んんっ、ん……っ」
「は……すげ、アンタの中、熱……」
「あ、ジン、あぁ……」
「ん、やば……っ、ね、もう動いていい？俺我慢できない……」

許可を求めながらもジンイェンはゆさゆさとエリオットの体を軽く揺さぶった。
じれったい動きに、エリオットは首を振って先を促した。

「いい、から、も、早く、してくれっ……」
「う……そんな、締められると、やばいって」

ジンイェンが緩く腰を打ち付ける。エリオットはそれだけで敏感にビクビクと体を震わせた。
深く中を抉られるたびにジンイェンのペニスが前立腺に引っかかり、エリオットの快感がさらに増した。
性交の知識に疎いエリオットはその快感の正体がわからず、得体の知れない官能にただ震える。

「や、ジンっ、なか、変……」
「ん？なんか、おかしい、のっ？」
「き、気持ちよすぎて、変になりそっう、ああっ！」
「俺もすげー、気持ちいい……」

ジンイェンはエリオットの腰を高く抱え上げて注挿を繰り返した。当初は遠慮するような動きだったが、次第に腰を強く打ち付けた。
中を突かれるたびにエリオットが甘やかな喘ぎ声を上げる。声に出さないと襲い来る快感でどうにかなってしまいそうで、それを恐れるように激しく喘いだ。

「あっあっ、あ、ひ、うぁ……！」
「あー……エリオット……やばい、俺……」
「いっ、僕も、いいっ……ジン……そこ、あ……っ」
「ん、このへん？」

エリオットに言われるがままにジンイェンは中を抉った。そうすると収縮がより一層激しくなり、引き抜く動きをするたびに搾り取るような締め付けがジンイェンを絶頂に誘った。

「ねえ、ごめん、俺もう、いきそっ……やばっ」
「あっ、あっああ！！」

言うが早いか、ジンイェンはエリオットの中に精液を注ぎ込んだ。迸りは量が多く、なかなか放出が止まらない。
エリオットは熱いそれを受け止め、結合部を敏感にひくひくと蠢かせた。同時に失われた魔力が戻ってきて、エリオットの生命力が満ちる。
腰を何度か震わせて全て吐き出したあと、ジンイェンが余韻を楽しむように深い溜息を吐いた。

「……ごめん、俺すげー早すぎ……恥ずかしー」
「い、いやそんなことは……」
「あ……そういえば思いっきり中に出しちゃったけど、良かったの？」
「や、やってから、言わないでくれ……」
「それもそっか」

ジンイェンは苦笑しながら、ようやく射精の波が落ち着いた自分のペニスをちらりと見た。

「……ねぇ。全っ然おさまりそうにないんだけど……」
「……？」

射精したはずのペニスは未だその固さを保っており、エリオットの中で元気に脈打っている。
それに気付いてエリオットは顔を真っ赤に染めた。

「このまま、いいよね？」
「……ジン……」

エリオットは繋がったままのジンイェンに手を伸ばし、引き寄せて口付けた。

「……僕も、もっと、きみがほしい……」

いつも禁欲的な表情しか見せないエリオットが、色っぽく微笑む。
術のせいで開放的になっているとわかってはいるが、それでもジンイェンはその魅惑的な表情にくらりと眩暈がした。

「エリオット、やらしーね」
「こんな僕は嫌か？」
「全然？むしろ俺、いくらでも頑張っちゃう」

ジンイェンはニヤリと好色な笑みを浮かべながら、エリオットに口付けるため再び覆いかぶさった。

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