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熱い舌が肌を這うたび、エリオットは敏感に腰をくねらせた。
術のせいとはいえ、感度がおそろしく良くなっている。常ならばくすぐったくて笑っているところだろう。愛撫を与えられるたびに、エリオットの熱がぐんぐんと湧き上がる。
ジンイェンの舌が焦らすように乳首の周りを刺激するので、もどかしくてエリオットは自ら胸を押し付けた。

「あっ、あっ……は……ぁ」
「可愛いね、エリオット……」
「……あっ、ジンッ……!」

乳首を軽く吸われる。たったそれだけの刺激で、エリオットは体を跳ねさせた。
ジンイェンはくすりと笑いながらもう片方の手で空いた乳首をひねった。

「うぁ……あっ!」
「乳首、感じるの?」
「んん……んっ……」

エリオットは素直にこくこくと頷いた。すでに硬くなっている乳首をこりこりと指先で転がされると、腹の奥がずんと重くなった。

「は、あ、ああっ……んんっ……!」
「魔術ってすっごいね……エロ……」

ジンイェンが感じ入ったようにつぶやく。かくいう彼も、ただエリオットに触れているだけで痛いほど一物が張り詰めていた。

「……すぐにでも挿れちゃいたいくらい」
「い、いい、もう……早く……んっ」
「だぁめ。せっかくだしもうちょっと楽しませてよ。それにさ、ホラ男同士ってちゃんと時間かけてほぐしたりしないと全っ然入らないって聞いてるし」

言いながらジンイェンはエリオットの耳に軽く歯を立てた。そのまま耳の穴に舌をねじこみ、ねぶる。

「ひぁっ!」
「あれ、アンタって耳弱い?」

そんなことは知らない、とエリオットは涙目で頭を振った。
ジンイェンが耳を咥えながら喉の奥で低く笑う。その振動ですらエリオットを淫らな心地へと誘う。

「ふぅん、どこもかしこも感じやすいんだねぇ」

汗で湿り始めたエリオットの滑らかな肌に掌をはわせる。細い腰を撫で、肌理細やかな肌を堪能しては指先でくるくると臍を悪戯した。
たまらない、といったようにエリオットの体がくねり、白磁の肌が桃色に色っぽく上気する。

「こっちはどうかな?」

ジンイェンはエリオットの淡い茂みの先にある陰茎をそっと握りこんだ。ビクンとエリオットの腰が跳ねる。

「やっ!あっ!」
「ここもうガチガチだよ?」
「ジン……だめ……いやだっ……」
「ん、どうして?こんなに反応してるのに」

ゆるく擦り上げられながら、ふぅ、と乳首に息を吹きかけられ、エリオットの屹立の先端からじわりと先走りが滲んだ。

「そこ……今、すると……出たら……僕の魔力、が……」
「あ、もしかして魔力出てっちゃう?それはまずいねぇ」

まずいと言いながらもジンイェンは意地悪な笑みを浮かべ、エリオットのペニスに舌を這わせた。

「あッ!やだ、やめ……っ!」
「ん……だったら、こうして俺が吸っちゃえばいいんじゃない?あとで返せばいいんだから」

ちゅうちゅうと先端を吸われ、エリオットはたまらずに先走りの汁を溢れさせた。
そして、ジンイェンがぱくりとペニスを咥える。

「やぁっ、ジン!ジン……!」

エリオットはジンイェンに放して欲しくて手を伸ばした。しかし彼が股間に顔を埋め夢中でペニスを咥えている様を視界に映してしまい、そのあまりに淫らな光景に思わず動きを止めてしまう。
その隙にジンイェンが感じる裏筋を舌先で舐め上げては全体をねぶる。雁首のくぼみを刺激されて全身が震えた。
ジンイェンの舌遣いの巧みさはエリオットに初めての快感を教えてくれた。

「んっ、どう?きもちい?」
「気持ちいい……からっ、もう、駄目だ……っ」
「ふふ……んっ」

笑いながら強く吸い上げられ、エリオットはあっさり絶頂を迎えた。びくびくと腿を痙攣させながら彼の口の中に精液を放つ。
ジンイェンはそれを全て受け止め、ごくりと音を立てて嚥下した。嬉しそうに彼が笑う。

「んーごちそうさま?」
「ジン……あとで覚えてろ、よ……」

精液と共に魔力を放出してしまったエリオットは、ぐったりとベッドに沈み込んだ。

「え、あれっ?エリオット!?」

指先にも力が入らなくなった青い顔のエリオットを見てさすがのジンイェンも焦りだした。

「ごめん、調子乗りすぎちゃった。エリオット大丈夫……?」
「……もう……早く、してくれ……」
「わかった。じゃ、これ、使うね?」

ジンイェンが香油の瓶を手に取り、中身をたっぷりと掌に出した。甘い香りがふわりと広がる。
手の温度でよく温めてから、香油の絡んだ指をエリオットの尻の割れ目に滑らせた。

「あ……」

エリオットの足を開かせ、閉じた窄まりを揉んで指を入れやすくする。しかし術で開きやすくなっている体は、ジンイェンの指を難なく飲み込んだ。
その柔らかさにジンイェンのほうが驚いたほどだ。知り合いの男娼に男同士の性交の話を聞いたとき、その場所の固さとほぐれ難さを教えられていたから。



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