13


「もう十分だよ、守……んっ」
「ぅぐ」

中断させられて口を離したら、唾液と先走りが混ざったものがねっとりと糸が引いた。
上を向いたら喜之と目が合った。
艶めかしく頬を上気させた発情顔がエロい。普段は落ち着いてる彼も、雄の本能には抗えないらしい。

そんな顔を見せられたら心臓が苦しくなるほど昂った。
これ以上焦らされたくないので、テーブルに置かれたゴムを自ら手に取ると包装を破って喜之のペニスに被せた。
根元まで被せたら、快感で頭がバカになっちゃってる俺は、テーブルに手をついて喜之に尻を向けた。

「い、入れて、喜之……」

熱に浮かされたまま、ぬるついたアナルを指で開いてみせて誘う。
こんな真似して引かれるかと思ったけど、それどころか背後から唾を飲み込む音が聞こえた。

「守……っ」
「あっ!」

覆いかぶさる形でのしかかられたのを感じた瞬間、熱く硬いものが俺の中に入ってきた。そのまま奥まで進んでいく。
こんなシチュエーション、いつだったかオナネタとして妄想した。テーブルに押さえつけられながらバックから犯されるっていうやつ。
これ夢じゃないよね?いや、圧迫感がすごいからやっぱり現実だ。

「あっ、すご、深っぁ……っ」

みっちり埋められた感覚を堪能する間もなく引き抜かれる。そしてまた分け入ってきた。
そのまま抜き差しが続く。決して激しい動きじゃないのに重量感がすごい。奥の奥まで愛されてるって感じ。
喜之の荒い息遣いがうなじにかかる。時折聞こえる色っぽく押し殺した喘ぎがエロくてたまらない。
喜之愛おしさに腹の中が切なくなって、アナルでぎゅうぎゅう締め付けた。

「守……ほら、こっち」
「んぅっ、あっ」

腹を撫でられつつ上半身を起こされた。
膝立ちのまま顎を掴まれて上向かされたと思ったら、うしろから唇が重なった。

「ふ、う、あっん、よ、しゆきぃ……」
「ん……」

懸命に舌を伸ばして絡める。ちょっと顔にかかる喜之のサラサラの髪すら愛しい。ああもうマジで好き。
キスの幸福感で腰砕けになった俺は、再びテーブルに沈み込んだ。
その拍子にテーブルが大きくずれたが気にしていられなかった。そこに手をついて自分から腰を振り、喜之のペニスを扱いた。

「あ、あ、あぁっ、ん、く」
「そこが好き?」
「う、うん、うんっ、あっ好き、いい……ッ」

中の感じるところを喜之の勃起でめちゃくちゃに擦る。玉裏がじんじんするほど気持ちいい。
しばらく動きを止めて俺の好きにさせてくれてた喜之だけど、やがて腰を掴んで一緒に動きはじめた。

「お前のそういう、んっ……素直な、ところ、羨ましいよ」
「んぇ?」
「可愛いってこと」

機嫌よさげに軽く笑った喜之は、俺の腰に指を食い込ませて更に突き上げてきた。
肌と肌がぶつかって、ぐりぐりと中を抉られる。予想外の動きにびっくりして、変な声を上げながら背中を反らせた。
単調にただ抜き差しするだけじゃなくてそういうことをするから、やっぱり喜之は意地悪だ。

動きに変化が加えられると、追い上げられたり波が引いたりしていつまでも達することができない。
快感が続きすぎて頭の中がおかしくなる。なのにやめてほしいとも思わない。
しかも「ここがいいの?」「これは好き?」とか何度も聞かれるからそのたび我に返って恥ずかしくなる。

「や、もうっ、もうイキ、たいっ、喜之……っ」
「そうだね」

だらしなく口を開きながら懇願すると、力なく揺れていたちんこをうしろから握られた。
器用な指で搾り取られるように擦られる。
間断なく煽られて極限ギリギリだった俺は、テーブルに縋りつきながら熱を開放した。
しかし焦れに焦らされまくった俺のそこは少しずつ吐き出すばかりで、なかなか射精がおさまらなかった。
と同時に、喜之が待ってられないとばかりにうしろから突き上げてくる。

「よ、よし、ゆきっ、あっ、やばいから、俺、あっ!」
「しちゃ駄目?」
「だ、だめじゃ、ないけど……っ」

喜之だって限界のはずだ。それはわかってるけど、敏感になってる体に追い打ち状態はヤバい。
はっ、はっ、と余裕のない呼吸音が背後から届く。小刻みな律動にテーブルがガタガタ揺れた。
中の気持ちいい場所を押し潰しながらペニスが行き来する。そしたら、終わったと思った射精感がまたせりあがってきた。

「や、また、いく、俺っ……」
「俺も……う、出そうだよ」
「んんっ!あっあぁっ!」

今度こそ勢い良く出たが、その瞬間、喜之が覆いかぶさってきて強く抱きしめられた。
喜之の体がビクビクと震えるのを肌で直接感じる。熱く汗ばんだ胸から心臓の音まで伝わるくらい。

「守……」
「あ、あ……ん、はぁ」

喜之は荒く息を吐きながら、すぐに抜かずに、丁寧にゆっくりと俺の中をペニスでかき回した。
そうされて俺も余韻で腰が何度も震えた。
ゴム越しなのに、めちゃくちゃ中に精液擦り込まれてる気がする。

――長い。長かった……。

汗の溜まったテーブルにぐったりと突っ伏すと、下半身はまだ繋がったまま手をギュッと握られた。その力強さに胸が躍る。
思わず笑うと、こめかみに軽くキスされた。最後まで喜之は俺にたくさんの幸せをくれる。
だから俺も不格好ながら振り向いてキスを返した。

二人でないと得られない満足感と、この充足感――。
独りよがりじゃない、気持ちの通じ合ったセックスって本当に最高だ。


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