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淡々と返したけど実はこの体勢ってすっごく居心地悪い。言いにくいけどなんかハトずっと勃ってるし。
マジで俺のこと好きなの?今更感ハンパねーんだけど。
「……全然会ってなかった間に、一体お前に何があったんだよ」
「会わない時間が想いを募らせたっていうか」
どやっ、と語尾に付きそうなほどカッコイイ声で言わなくても。そのセリフちょっと寒いからな。
「とにかくもう俺はきょーちゃん以外考えらんない!お願いだから付き合って!」
「あーえー……うーん……考えとくよ、暇なときにでも……」
「濁さないで!」
昔好きだったヤツから好きだと言われて悪い気はしないんだけどさ、どうにも温度差がありすぎるっていうか。
せめてその言葉がコクってから一年以内くらいだったらなぁ。
「……そこまで言うんなら、とりあえずヤってみる?」
「えっ?」
「なんかのぼせてるっぽいし、男の裸見りゃ正気に戻るんじゃね?お前ノーマルなんだし」
投げやりにそう言ってみれば、間近でごくりという生唾を飲み込む音が聞こえた。
怖気づいて引いてくれればそれでよし、俺自身、昔の想い人とヤれるってのは案外興奮するかもしれないし。
「どーする?」
「……やる」
「よし。んじゃちょっと準備してくるから待ってろよ。……てか俺ウケなんだけどお前どっちのつもり?」
「え、あ、どっちって何が?」
「チンポ突っ込むか突っ込まれたいか。俺バリネコだから突っ込むの興味ねーんだけど。あとバニラだけってのもなしな」
「バニラ?なんで突然アイスの話?」
「……もーいいや。お前は黙って突っ込んどけ」
上に乗ってるハトをどかしてベッドから起き上がる。するとハトが俺をうしろから抱きしめてきた。
「したら、付き合ってくれる?」
「……お前が俺とセックスできるんならな。体の相性もわりと大事だし。女とだってそーだろ?」
「んー……うん」
俺はゲイだから、好みはあるけど男相手に普通に勃起する。
でもハトは違う。異性愛者が、特別綺麗でも可愛いわけでもない俺と簡単にヤれるとは思ってなかった。
――そう呑気に構えてた一時間前の俺を殴りたい。
「あっんんっ!あんっ、やっ、あぁっ」
「きょーちゃん!きょーちゃん……!」
自分の家でセックスするのは好きじゃないから、やる時はだいたい外で済ませてくるようにしてる。
だから自宅に置いてあったローションとコンドームはほとんど使ってないなかったんだけど、それらががっつり減るほどハトは俺をハメ倒した。
つーかなにこれ、今までヤった中でも一番ってくらいすっげぇ気持ちいいんだけど。声が止まらない。
「ふぁっ、アッ、ちくびっ、乳首も舐めてぇっ!」
「あーもームカつく……なんっで、こんな慣れてんのっ、きょーちゃんの馬鹿野郎……!」
俺を罵倒しながらハトが俺の乳首に吸い付いてくる。がり、と強めに歯を立てて舐められ、そこから痺れるような感覚が俺の下半身を直撃して、気持ち良さは更に増した。
アナルをハトのでかいのでガン掘りされると、熱くて、体が浮きそうになるほどの快感が俺を襲う。俺のイイポイントを捉えるのがやたらと上手い。
「お前だって、あんっ、慣れてんじゃん……」
「俺、ほとんどやったことないし、慣れてない」
マジでか。あんだけモテてて経験少ないの?まあ多い少ないってのは個人差があるからなんとも判断しづらいな。
色々聞こうと思ったけど、ハトが俺を攻め立ててくるから喘ぎ声しか出せなくなった。
「んっ、んっ、あぁっ、ハト、やば、俺またイく……ッ!」
「きょーちゃんの馬鹿っ!インラン!」
マゾの気があるわけじゃないんだけど、ハトにソフトに罵られるとぞくぞくした。
そんでもって俺はもうずっとトコロテン状態。出しすぎてうっすい精液がタラタラ漏れちゃってる。
初ドライいけっかもしんねぇな、なんてぼんやりと思った。
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