サス、原作世界へ落っこちる その1
いつもと変わらない任務風景の筈だった。
カカシが時間になっても現れなくて三人でイライラして。
やっと現れたカカシの言い訳にナルトとサクラが突っ込みを入れ。
一人、木に寄りかかってポケットに手を突っ込んでいたサスケはカカシを無言で睨みつける。
Dランク任務を七班で引き受けて、ナルトがもっとすごい任務がいいと文句を言い。張り切りすぎて一人突っ走ってドジをする。
それをサスケが呆れてナルトを馬鹿にすると、ナルトがサスケに突っ掛かり。
そんなナルトをサクラが叱ると、大好きなサクラに怒られナルトが落ち込む。
それらを聞き流しながらカカシは自来也が書いた如何わしい本を木の上で読んでいた。
そんないつもの日常が今日は少し違った。
グタグタと任務をこなすナルト、サスケ、サクラの目の前で突然、ポンという音とともに煙に包まれた何かが現れる。
まるで口寄せをした時のような現象だが、誰も口寄せしていない。
カカシは彼らを守るように素早く彼らの前へと現れると、何が出てきても対処できるように警戒をする。
「いいかお前ら。里内だからって油断するな」
「はい!」
「っ、おう!」
「……わかってる」
カカシの素早い指示に、遅れてナルトたちも苦無を手に構えた。
辺りの空気がピンと張り詰め、彼らの緊張が高まる…………が、煙が晴れ、現れた人物に三者三様に驚きを露わにした。
「……これはどういうことだ?」
「うぇっ!?」
「え?」
「なっ、」
カカシは普段眠そうな目を軽く見開き、ナルトは口を馬鹿みたいにポカンと開き、サクラは目をパチパチとさせ、そしてサスケは常にないほど目を大きく見開いた。