後編 サスの自己紹介とナルトの心情
一人だったナルトに出来た初めての友達。
里の人間全員から嫌われていたナルトは彼らを憎んでいた。
何故自分ばかりがこんな目にあうのだと。疎まれる理由が分からなくて、里のものから冷遇を受ける度に憎しみが募っていった。
火影でさえ、信じられなくなっていた。
あの頃のナルトは全てを怨んでいたのだ。
そんな時、サスケに出会ったのだ。
里のものから暴行を受けていたところを助けられたが、ナルトはサスケを突き放した。それなのにサスケは優しく笑ってナルトに手を差し伸べてくれたのだ。
サスケはナルトと違って純粋で、ふわふわとした雰囲気を持つ人間だった。
笑うとふにゃふにゃと笑うし、それがサスケを幼く見せたが、一方でよく人を見ていて、人を気遣える優しい人だった。
一緒にいるだけでホッとし、穏やかな気持ちになれた。
またサスケはとても家庭的でサスケの作るご飯は本当に美味しかった。一度食べたら他のなんて物足りなく思えるくらい。
ナルトが怪我をするとそれを目敏く見つけ、手当てしてくれるし、服に穴が開くとそれを縫ってくれる。
ナルトにとってサスケは弟のようでもあり時々姉のような母のようでもあった。ナルトには家族がいなかったから余計サスケが家族のようだった。
そのサスケが傷ついている。でも自分ではサスケを救えない。そのことがナルトは悔しかった。