初戦



地下牢から上に行くと、騎士が見回りをしていた。

騎士にいち早く気付いたユーリは、私を引っ張り隠れる。



「ちょ・・・」

「・・・」



あまりにいきなり引っ張るので、抗議しようと口を開いたら

静かにするよう瞳で注意された。


・・・すんまっせ〜ん。


自分も瞳で謝罪するよう訴えかけていると、

騎士は遠くへ行ったのか、ユーリが肩の力を抜いた。



「・・・ふぅ。ユイが声出した時はヒヤヒヤしたぜ」

「・・・すんまっせ〜ん」

「わかったんなら、次から気をつけろよ」

「了解です!隊長!」

「・・・気をつけろよ?」

「はい」



ちょっとふざけたら、同じ事を2回言われた。

どんだけ信用ないんだ、私。ちょっとヘコむ・・・。



「き、貴様ら!何者だ!」

「あ、見つかった」

「なんで人事なんだよ」



人がヘコんでる時に見つけるなんて。

お前みたいなのをKYって言うんだよ!バーカバーカ!



「あやしい奴らめ!」

「・・・ユーリはともかく、私ってあやしい?」

「あやしいな」

「即答かー。マジでヘコむ、わ!」

「がっ・・・!」



先手必勝。

ユーリとしゃべって相手が油断してる隙に剣の柄で首の後ろを攻撃。

すげくね?俺すげくね!?

ユーリを見ると、私のまさかの攻撃を見てか、少し驚いていた。



「・・・おまえ、本当に初心者か?」

「実戦は初めてだよ。格ゲーは神って言われたけど」

「ま、これでこの先の戦闘は楽できるな。

 ・・・ユイ、頼んだ」

「よし、任せろ!・・・って何で!?無理でしょ!初心者っていったじゃん!」



ローウェル氏は中々無理をおっしゃる。

今でも騎士を気絶させれた事にびっくりしてるんだからね!



「さて、行くか」

「あれ、無視!?無視なの!?」



私の全力の突っ込みも虚しく、ユーリは先を歩いていくのだった。





[前]
[次]


戻る

Topへ


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -