コミュニケーションを大切に
メニューを覚え始めて数十分。
カナンカラン...
店のドアが開き、体格のいい男の人が入ってきた。
「いらっしゃいませ!」
「お、新人さんか。中々可愛いじゃねぇか」
「あはは!褒めても何も出ませんよ!」
こういう仕事はお客様とのコミュニケーションが大事なんだよな。
笑顔笑顔っと。
「ご注文をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「じゃあマーボカレー1つと姉ちゃんもらえるか?」
「わかりました!女将さーん!マーボカレー1つと女将さんの鉄拳1つお願いします!」
「え」
「ははっ!いいねぇ。アタシからの愛の鉄拳をプレゼントしてあげようじゃないか」
「ちょ、女将さん!」
うんうん。やっぱり下町のノリはこんな感じだな。
私も自然体で仕事できるし、本当にいい仕事だ。
頭の隅で接し方などを考えながら、笑顔を絶やさずに仕事をする。
私の名前はいつの間にか下町中に広がっているらしく、お客様は名前で呼んでくれる。
「ユイちゃん!こっちに枝豆1つ!」
「はーい!」
「ユイちゃん、次こっちお願いできる?」
「少しお待ちください!すぐに行きますので!」
本当に忙しい。特に夜なんかは、お酒を飲む人たちで賑わうため、
あちこち走り回らなければならない。
でも大丈夫。私の性欲と体力は大切な時ほど尽きることがない。
まだまだイケるZE★
こうして、私の初日の仕事は大成功となるのだった。
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