狼なんて怖くない♪
「よし!時間もないし簡単・単純・ハンバーグを作ろう!」
「手抜きか」
「ち、違うし!時間がないだけだし!」
相変わらず私が料理できるのを信用していないみたいだ。
・・・マジひでぇ。
別に料理なんて自分がうまいと思ったらいいんだよ!ふーんだ!
ギィ......
勝手に自己解決していると、部屋のドアが開いた。
「お、やっと帰ったか。ラピード」
「わふ」
そこには狼のような、隻眼でキセルを咥えている犬がいた。
でたっ!ワイルド&ダンディ犬のラピード!いつ見てもかっこいいぜ!!
「ユ、ユーリ!そのワイルドでダンディなそちらの方は!?どちら様!?」
知っていながら聞くのって難しい。顔ニヤけてないかな!?
「ああ、コイツはオレの相棒のラピードだ」
「ワン!」
「で、こっちは今日ちょっとした事情でうちに泊まることになったユイ」
「ど、どもです」
「ワン!ワン!」
「よろしく、だとよ」
「ラ、ラピード・・・・・」
まさかそんなあっさり受け入れてくれるなんて!なんて懐の大きい方なんだ!
「こ!こちらこそよろしくであります!ラピード殿ォォォ!!」
ビシッときれいに敬礼する。
「わふっ」
ラピードは敬礼を見て、突如私に近づいてきた。
そして、鼻を私の手にすり寄せた!
うきゃあああああああああああああああ!!!
「ラピィィィドォォォォォ!!」
軽く死ねる!今なら私は空も飛べるはず!
「・・・早く飯作ってくんねぇ?」
ラピードと戯れる中、ユーリの呆れた声は誰にも届かなかった。
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