ミッションを終えて、数日ぶりにプトレマイオスに戻った。
「…今回のは堪えたな…」
ボソリと呟く。戦場に潜み、神経を使う日々。それがやっと終わり、一安心していた。だけど、実は、数日間も惺に会えなかったというのが一番堪えた。
足は自然と惺の部屋に向かった。早足で向かう。やっとの思いでドアの前に立つとノックもしないで入った。
のだが、
「あれ…?」
部屋の主はそこには居なかった。
おかしい。彼女は俺よりも早く任務を終えて、数日前に帰って来ているはずだ。それに今は夜中だ。皆も寝ているし、当然彼女も寝ているはず。
(どうしてだ?)
疑問を抱えながら一旦部屋を出る。まあ、彼女の事だからふらっと何処かを彷徨いているのかもしれない。
(一回部屋に戻ろう)
俺は自室へと向かった。









部屋に入ると、俺は目を疑った。
パチパチと瞬きを繰り返し、じっと確認する。
惺が部屋に居なかったのも当然だ。だって彼女は俺のベッドで眠っていたのだから。
(なっ、なんで…!)
柄にもなく焦る。
俺の枕を抱き締めて寝るその姿は、俺を興奮させるのには十分過ぎた。
(か、可愛い……っ)
普段見れない貴重な光景に、俺の口角は自然と上がる。ゆっくり忍び寄って彼女の近くに腰掛けた。
「ただいま…」
そう囁いて頬に触れる。すると、ぴくんと彼女の身体が跳ねた。
「…ロックオン?」
「…悪い、起こしたか?」
「ううん…。大丈夫」
枕を手放して起き上がる惺。だけど俺は彼女を抱き締めて再びベッドに沈めた。
首元に顔を埋める。肺いっぱいに彼女の香りを吸い込んで、やっと帰ったんだな、と、幸せを噛み締める。
耳元に唇を寄せて、ゆっくりと囁いた。
「起きなくていい…。このまま…俺と、気持ちイイことしようぜ…?」
惺は擽ったかったのか「ん」と吐息を洩らした。
それにすら反応してしまう自分がいる。
(もう、我慢出来ねー…)
やわやわ、と、ブラウスの上から柔らかい胸を揉む。感じているのか、彼女の吐息が熱を帯びてきた。
それにつられるように、俺の高揚にも拍車がかかる。
「なぁ…、惺…」
「ロ、ロック、オ…んっ」
ピクリ、と身体を揺らす。
俺は笑った。
「惺も…、俺とシたいよな…?」
「ふ…っ、んぅ…っ、や、だぁ…」
胸だけで感じてきた惺。俺の手ひとつでこんなにも乱れる彼女が愛しくて堪らない。涙を浮かべた惺と目が合う。
「き、キスして…っ、ロックオン…」
「仰せの侭に。マイハニー」
甘く囁いてその吐息を奪う。彼女の全てを喰らい尽くすかのように、熱く荒々しく。
「はぁ…っ、んぅ…っ、」
「ン…っ、惺…っ、」
ブラウスのボタンを外して脱がせる。視界の端に色っぽい下着が見えて、俺の心臓は高鳴る。ぐいっと顔を近付けて思いっきり顔を埋めた。
「…俺…っ、何日も惺に会えなくて…っ、凄く我慢してた…っ、お前も、そうだろ…?」
「や…っ、む、胸元で喋らないで…っ」
慣れた手つきでブラジャーを外す。その頂きがこれから起こることを待ち侘びているかのように主張している。
その先を指先で弄んだ後、カプリと甘噛みをすれば、惺の身体は快感にうち震えた。
「ひゃぁう…っ!、か、噛んじゃ、いやぁ…っ、はぁっ、んっ、」
「おいひいよ、惺のおっはい」
「あっ、噛みながらっ、喋らないでぇっ、お、おれ…っ、変になっちゃいそう…っ!」
「、可愛い…っ!」
それを合図に下も全て脱がせれば、耐えきれなかったのか、嫌らしく液体が滴る。
「はあ…っ、俺も、やばい…っ」
その茂みに手を伸ばし、指先を這わす。一際甘い声を上げる彼女に意地悪く囁く。
「気持ちイイ…?…でも、そんなに声出しちゃうと…、聞こえるぜ…?」
サアッと惺が蒼白くなった。
「お、お願いっ、ロックオン…!!」
縋るような声色に、苛めてやりたいという邪な気持ちが沸き上がった。
俺はゆっくりと微笑む。
「わかったわかった。じゃあ今日はここまでな」
「…え、っ、ロックオン…」
彼女の顔が絶望に染まる。
対して俺の笑みは深くなる。
「お願いってのは止めろって事だよな、惺?」
彼女は瞳から涙を一筋流した。予想外の出来事に、快感を欲していた秘部が急かすようにひくついた。内腿を擦り合わせて耐えている。
(可愛い…っ!可愛過ぎる…っ!)
目の前の惺が愛しくて堪らない。俺を欲して涙する惺が愛しくて堪らない。
本当は俺だって限界だ。下半身の雄が熱の解放を今か今かと待ち侘びている。滾る熱を抑える。
(でも、まだ、惺を見ていたい…)
俺を欲して堪らない惺を、普段は見れない惺を、俺にだけ見せる妖艶な惺を。
「惺。」
低い声で名前を呼べば、彼女は我慢の限界だったのか、余裕の無い声で縋った。
「…っ、お願い…っ、ロックオンが、…欲しいよ…っ!」
「……っ!!!!!」
ぎゅうっ、と、俺の雄を掴む。
「ロックオンのこれが欲しい…っ!!!今すぐ欲しい…っ!!!おれを掻き乱してメチャクチャにしてっ!!!!」
「〜〜〜っ!!!!!」

俺の理性は呆気なく崩壊した。









部屋いっぱいに響き渡る音が、俺の頭を狂わせる。卑猥な音と惺の善がる声。
(好きだ…っ。愛してる…っ)
涙を浮かべた侭の惺に伝わるように、ぎゅうっ、と、強く抱き締めた。
「ま、また、大きくなった…っ!!」
「仕方無いっ!!お前が可愛過ぎるからァッ!!」
「ふぁッ!!!や、やっ!!!」
もう何度目かも忘れた。かなり長い間彼女をこうして抱いている。
ぐちぐち、と響き渡る音。接合部を見て人知れず恍惚を覚えた。
「んっ、惺…っ、お前だけ…っ、お前だけだ…っ、こんなにも、愛してるのは…!!!」
奥深くまで激しく突く。
「責任、取れよ…っ!!!」
俺をここまでにさせた責任を。
もう、お前無しでは生きていけないんだ。お前さえ居れば何も要らないんだ。
「…愛してるッ!!!愛してる惺ッ!!!!」
抑えきれない思いを乗せるように、一際強く熱をぶつけると、視界の隅で彼女の唇が動くのが見えた。

「おれも、愛してるよ、ロックオン」

その声が鼓膜に届いた瞬間、
俺は惺の中に何度目かの白濁を放った。









シャワーを浴びて、ベッドで添い寝する。因みにバスルームでももう1ラウンドやったのは内緒である。
「…激しかった…」
先程の情事を思い出すかのように呟く彼女に、俺は照れたのを隠すようにそっぽ向いた。
「…でも、惺も悦んでただろーが…」
焦る内心に気付かれないように彼女の腰を引き寄せた。
「…、うん…、よかった…よ…」
(〜〜〜っ!!!)
「きょ、今日はやけに素直だな…」
「…寂しかった、し…、ロックオンに、触れたかった…」
不安げに俺の胸元に擦り寄ってくる惺。その頭を優しく撫でた。
「こんな感情…思い出すはずじゃなかったのに…。捨てたはずだったのに…」
ボソリと呟く。
「ロックオンが…全部引き出したせいなんだからな…」
ぎゅうっ、と、しがみつく。
「おれ…、お前が居れば何も要らない…」
「!!!!」
「…ずっと一緒にいて…。ずっと…一緒に、いたい…」
チリッ、と、胸元に痛みを感じた。びっくりして惺を確認すると、真っ赤に咲いたキスマークが視界に入る。
惺は先程の不安そうな表情とは一転して、してやったりという表情をしていた。
「おれのって印」
(ああ、もう…!!!)
「っ!!!!?」
「………。」
「っ、ロ、ロックオン…?こ、この太股に当たってるものは…」
俺はニッコリと微笑んだ。


「もう1ラウンド、行こっか」





2012.10.14

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