「ティエリア…あなたって何時もあの子と添い寝してるわよね…」
――迂闊だった。
スメラギ・李・ノリエガに言われるまで、何も気付かなかった。
「………………。」
反論も否定も出来ないでただ目を見開いた。
――確かに、考えてみれば彼女と添い寝している回数が多い。
「眠い」と彼女が呟けば、俺がゆっくりと手を引く。両者流れるようにベッドに入り込み、抱き枕を抱くように腕を絡める。互いに相手の香りに酔いしれて包まれて子供のように眠りに落ちる。
――彼女がいけないんだ。
一緒寝てあげないと、いつの間にか消えてしまいそうで怖いから。
傍に居ないと、強くて弱い彼女は何かに押し潰されてしまいそうで怖いから。
守ってあげたくなるから、いけないんだ。
口には出さないで、胸中でグルグル思考を回転させる。
スメラギ・李・ノリエガはそんな俺に気付いたらしく、意地悪に笑った。
「彼女には随分甘いのね」
「…何のことだか分かりませんね」
その気持ちに蓋をして。
(気付かないふり、)
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