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「燐くん…あれほど廊下を走るなと
 注意したのに…」
 
「…ごめんなさい」
 
 
廉造との追い駆けっこで力を使い果たした燐はメフィストに別室へと連行された。
 
怒られると思っていたら特に何をするでもなく、膝の上に乗せられた。
 
 
「ここどこだ?」
 
「ここは園長の私だけが使っている
 園長室です」
 
「ほぇ〜…すっげぇえ…」
 
 
燐は目を輝かせながら辺りを見回す。
 
天井にはシャンデリア、高そうな本棚も椅子も気になったが、それよりも机の上にいる“何か”に一番興味を示した。
 
 
「なあ!これめふぃすとのぺっと?」
 
 
燐が指指したのは緑色をした角のある小さなハムスターだった。
 
 
「な、な!これかわいいな!」
 
『僕は兄上のペットじゃないです』
 
「ぅえ?!しゃべった!!」
 
「こらアマイモン、からかうな」
 
 
燐は驚いた拍子にメフィストに抱き着き、アマイモンはむしゃむしゃとたこ焼きを食べている。
 
 
「は、はじめまして!
 おれ、りんっていうんだ」
 
『はじめまして。
 僕はアマイモンです』
 
「あまいもん?
 …なんか、あまそうだなっ!」
 
『ご想像にお任せします』
 
 
飽きずにたこ焼きを頬張るアマイモンに燐は身を乗り出して真剣に観察し続けた。
 
>Are you a fellow as it is
 inquisitive?
(好奇心旺盛ってやつですか?)
 End


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