▼Best

「れんぞっ!ほら!だんごむし!」
 
「い゛やあああ!!りんくん!
 それもってこんといてぇええ!!」
 
 
園内を駆け巡る燐は手にダンゴ虫、廉造は全力で燐から逃げた。
 
事の発端は砂場で遊んでいた時のことだった。
 
 
「なーしえみ、これなあに?」
 
「これはね、さんちょさんだよ」
 
「さんちょさん!」
 
「りんはそれなあに?」
 
 
それ、と両手で包んでいる何かをしえみは指した。
 
 
「これはな、
 れんぞーにあげるだんごむしだ!」
 
「わ!かわいいね、りん!」
 
「だろ?すんげーかわいいから
 れんぞーにもみせなきゃ!」
 
 
…そして今に至るわけで。
 
 
「ほらみろって!かわいーから!」
 
「うそやん!
 ぜったいかわええないもん!」
 
「ねいがうすせんせいより
 かわいーぞ!」
 
「ねいがうすせんせいべつに
 かわええないやん!!!」
 
 
途中誰かに注意をされた気がするけどそんなの気にしない。
 
全力疾走でもうすぐ届く廉造を追いかける。 
 
「かっ、かんにん
 したってええええええええ!!!」
 
>I at that time was surely.
(あの頃の僕らはきっと) End


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