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今日はバイト2



家の前というか、自身のアパートの前まで来た。うちの部屋は電気が点いていない。寝てるなら当然なのか?いや、おかしいのか?分からない。時刻は十二時前。とりあえずインターホンを鳴らしてみることにした。

ピンポーン

一回だけ、押してみた。何も反応は無し。もう一度押してみた。はんのうはない、ただのしかばねのようだ。
何だかすごくイラついて、ドアノブをガシャガシャと握って回した。するとあろうことかビックリ。開いたのだ。


「えっ」


驚きの声を上げて、私は恐る恐るドアを開いた。真っ暗で、中の部屋の様子は何も見えなかった。とても、怖い。鍵が開いていた不自然さ、メッセージを見ていない不気味さが重く身体にのしかかったのだ。

部屋の中には入りたくなかった。部屋の中で何かが起こってるかもしれないし...でも、多分、何ともないのだろう。





部屋の電気を点けて、リビングへと繋ぐ廊下を歩いた。リビングには誰も居なかった。いつも私とお母さん、妹が雑魚寝している寝室、姉が一人で寝ている姉の部屋。この二部屋の確認はまだしていない。まず姉の部屋。姉は今日早番の筈だから家に居る。ゆっくりとドアを開けるも、姉の姿はなかった。

きっと、三人一緒に寝室で寝ているんだろう。そう思った。心臓がドクドクと五月蝿い。寝室は和室となっている為、ガラガラと横に戸を開けた。三人の姿はなかった。心臓が、どくんと音を大きく立てた。胸も途端に苦しくなってきた。





その一晩で、母と姉に何十件もメールや電話をした。全て何の反応も無し。明日は日曜日。お母さんも姉も私も仕事がある。仕方なく一人寂しくお菓子を食べて、風呂に入った。気分が全く晴れなかった。

普段広かった布団が私一人で使えるようになっていて、寂しかった。なんとも言えない気分で、一晩を明かしたのである。



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