女兎が啼く | ナノ
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一分後。あることに疑問を持った俺は、壁越しに居る名前に訊く。


「おい名前…てかお前さ…」

『あっうん、なに?』

「下着どうすんの?」

『え?』


名前の返事が返ってない事に俺は苦笑いをすると、とりあえず見つけたスウェットを手を伸ばして渡した。

……えーと、それから…。


「…まぁブラはなくてもスウェットありゃ大丈夫だろ。…えーと…肝心なのは下か」

『下はえっと…どうしよう。…何もなかった?』

「あぁ…俺の甚平とか神楽の服とかあるんだけどよ、今日ちょうどクリーニング出しちまって…。悪ぃ…!珍しく俺の家がクリーニングなんてしたから!」

『いやそれはまぁ仕方ないよウン。…どうしよう。スウェット着たら、下隠れるよね?』

「そりゃあ俺のサイズだし隠れるけど…」


…えっ?なに名前。つまりそれは、運がよければ普通に下が見えちゃうということ?


「待った!ちょっと待て!その方法で行けば俺が死ぬ!飢え死ぬ!」

『いや死なないし大丈夫だって…。うん、そうする!』

「いやぁあああ!待ってホント大好物っていうか超嬉しいけどッ!えっ?名前ちゃんは俺に襲われてもいいっていうこと?」

『いや普通に嫌だけど…。銀ちゃんなら行ける!我慢しなさい!』

「絶ー対ェ無理だってのォォォォ!!!!!」


銀ちゃんの声を無視して、体に身につけているバスタオルを解く。グレーの大きなスウェットを着ると、スウェットの長さを確認する。

ホラ、そんなに下大丈夫…。


『っ…!!!』


いや…結構ヤバイ。


『ぎ、銀ちゃん。結構やばい。でも何とか見えない。えっと、ねえ、私どこで寝ればいいのかな?』

「いやもうお前の睡眠より俺の睡眠の方が不安だわ。どうすんのコレ。もう興奮してお前を直視できねーよ」

『いやでもそんな事ないよ?うん、ねえ、銀ちゃんは布団で寝るんだっけ?じゃあ私はソファで寝るよ』

「あー…おう。分かった。じゃあ俺ももう寝るわ」

『うん、おやすみ!』


その時、思わずおやすみと言うだけの為に銀ちゃんの前に無意識に出てしまった。
それを見た銀ちゃんは一瞬固まり、鼻血を流して後ろに倒れた。


「(名前が髪濡れたまま、俺の服着て、必死に下隠して…あ…太ももやべェエロすぎる…んで手錠して…どッどんな格好だよ…マジ勃起もんだろコノヤロー…)」

『ちょッ!? 銀ちゃん!?』

「いやもう…駄目だわ、もうお前駄目だわ…。分かってる、俺を焦らしてんだな…。…道理でおかしいと思ったわ…あの沖田が女を襲うなんて珍しすぎるわ…。…でも今襲ったら神楽居るし…いやもう神楽居て何だって話だよ。…こんな格好する名前が駄目なんじゃね?そうだそうだ…じゃあ、食ッちゃおうかな…あ…いや待て…ダメだ、落ち着け自分…ここで襲えば歯止めが効かなくなる…落ち着け俺ェ…ッ!」

『すいません本当に落ち着いてください』

「フッ…分かった、名前お前は寝てろ。何処でも寝てもいい。ただ俺はちょっと出掛けてくるから気にしないでくれ」

『ていうがその這いずり方怖いよ…。まぁ行ってらっしゃい』

「オッケー。グッドラック」


銀ちゃんは目の前で床を這いずりながら、玄関の扉を開けて、外へ出て行った。
何だかもうよく分からないが寝よう。そうだ、銀ちゃんの布団借りよう!毛布もあるんだし!

一日の疲れを取るため、布団に入った。今日はいろんな事があったな。…あ、確か今日は何も食べてないけどまぁいいや。もう空腹感とかないや。

そうしてそのまま、すぐに私は眠りに落ちた。


〜一方銀時は〜


「ああもう此処で寝るわ…名前を守る為だしな…もう腹くくるわ…てかアイツあれは反則だろ…エロすぎンだろ…あれはヤッベエわ…」


己自身と戦うために玄関外でうつ伏せに寝ることにしたとさ。



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