盃兄弟 | ナノ

不思議な体験は大切に?その3


!注意!
マルコサンド。マルコが二人います。





「今回もですか…」


二度あることは三度ある。
だからある程度の覚悟は決めていたが、だからと言って本当に現実にならなくてもいいじゃないか。と名前は神様を恨んだ。
今回も目の前にいる二人のマルコをジッと観察する。
一人は普段着のマルコ。一人は着流しのマルコ。
着流しのときは仕事モードで、どちらかと言えば着流しのマルコのほうが真面目で安全なのかな?と近づこうとしたら、普段着のマルコに手を掴まれた。


「な、何でしょう…」
「危ねェから近づくんじゃねェよい」
「ちっ…。邪魔すんなよい」


どうやら名前の考えとは裏腹に、普段着のマルコのほうが安全のようだった。
今までの経験上、一方が真面目で一方がエロい。なので、着流しマルコはエロい。
コンマ一秒で判断した名前は普段着のマルコの後ろに隠れた。


「何もそこまで拒絶しなくたっていいじゃねェか。おっさん虐めて楽しいかい?」
「た、楽しくはないですけど…。やっぱりわが身が一番可愛いので…」
「俺がもっと可愛がってやるよい」
「け、結構です!」
「そりゃあ残念」


くっ。と喉の奥で笑うマルコに、名前の顔が一瞬で熱くなる。
着流しのマルコは絶対にダメだ!
強まった思いと同時に普段着のマルコのシャツを握りしめると、普段着のマルコがビクリと震えた。


「………どうかしましたか?」
「い、いや…。何でもねェ…」
「マルコさん…?」


普段着のマルコは名前を見ようとせず、それどころか顔を見せないようそっぽを向いてる。
すると着流しマルコがさらに笑いだした。


「そいつ、名前に触ってもらえて嬉しいんだよい」
「おいっ…!」
「普段妄想ばっかしてるからな。許してやってくれよい」
「黙れッ!」


……ムッツリかー…。
実は普段着マルコは真面目ではなく、ムッツリだった。
襲われることはないが、なんか距離を取ってしまった名前に、普段着マルコは慌てて言い訳を話すが、


「勘違いだよい、名前…!ただちょっと小説のモデルに使ったり、それでちょっと温泉に入ってもらったり……。と、ともかくあいつが言ったことは忘れろい!」


墓穴を掘ってますよ、マルコさん。
名前は心の中でツッコミを入れ、「そうですか…」と作った笑顔を向けると、普段着マルコは慌てて口を抑える。


「かくいう俺もそうでね」
「わわっ!」
「名前、あいつらが帰ってくる前に気持ちいいことしてみねェかい?」
「おい、名前に触るな!穢れちまうよい!」
「……穢れた名前も好きなんだろい?」
「っ…嫌い、じゃねェが…、どうせなら俺が穢したい…!」
「もう二人とも最低です!」


前の兄二人に比べてどちらも名前のいいほうへとは転がらなかった。





ルフィはないよ!だって裏表のない可愛い子だからね!
その代わり、名前が二つに別れたバージョンはあるかもね!



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