80万打部屋 | ナノ

今日もあなたのために

!ワンクッション!
企画夢「あなたと見る世界」シリーズより。
結婚夢でマルコ夢。
下ネタあります。





「ねえ、名前。夜はちゃんとしてる?」
「ぶっ!」


休憩中。仲のいい女友達とお茶をしてると、唐突にそんなことを聞かれた。
お茶が器官の変なところに入って、咳き込んでいると友達は「大げさよー」と笑う。
大げさじゃないよ!いきなり…こんなとこで普通そんなこと聞きます?


「で、どうなの?」
「前にもそんなこと聞かなかったっけ?」
「いいからいいから!で、どんな感じなの?」
「…きっ、気持ちいいよ…?」


マルコさんにだったら何されても嬉しいし、気持ちいい。うん、嘘じゃない。
でもそれをわざわざ言葉にするのって恥ずかしい!友達もニヤニヤするしさ…。って、あれ?今日はしてない。
真面目な顔で私をジッとみつめ、何か言いたそうな顔をしている。


「ど、どうかした?」
「名前、もしかして気持ちよくしてもらってるだけ?」
「え?」
「舐めてあげないの?」
「…な、める?」
「フェラ」
「ししししてないよ!してない!」


友達の発言に声をあげながら周囲に誰もいないことを確認して、友達を睨むけど、ふざけた様子ではなかった。
い、いつもだったらニヤニヤしてるのに…。何で?どうしたの?


「ちゃんとしてあげないとね。マンネリ化防止にもなるんじゃない?」
「えー…」
「きっとマルコさんだって喜んでくれるよ」
「喜ぶ…。喜んでくれるかな…」
「もちろん!じゃあこれ貸してあげる。ちゃんと勉強するんだよ!」


そう言って渡されたのはエロビ…。会社にこういうの持ってくるのよくないと思う。て言うか何で持ってきてんの?
呆れながらもせっかく持ってきてくれたビデオを受け取り、カバンにおさめる。
今日は帰ってくるの遅くなるって言ってた…。ずっと持ってるのはイヤだし、今日帰ってから見よう。


「じゃ、報告楽しみにしてるね!」


楽しそうに笑って帰って行く友達を見送り、私も部署へと戻った。





「ただいまー」


夕食の材料を買ってきた荷物を玄関に置いて、靴を脱ぐ。
先に荷物をキッチンに置いたあと、寝室へ向かって動きやすい恰好に着替えた。
テレビをつけ、少し休んだあと洗濯物を取り込んで、夕食の準備に取り掛かる。よし、今日も失敗なし。
マルコさんに怒られるからキッチンの周りを綺麗にして、飲み物を持ってソファに座る。マルコさんが帰宅するまでまだ時間がある。


「………見るなら今のうちだよね」


カバンから借りたビデオを取り出し、テレビの目の前に座りこむ。
DVDにセットして近くに置いてあったイヤホンをテレビに差し込んで片耳にだけつけた。
途中でマルコさんが帰ってきたらこれで解る。マルコさんにこんなもの見てるのバレたらきっと呆れる…。だって女が見るもんじゃないもんね。
ドキドキする胸で再生ボタンを押すと、前置きはもなく男女がキスをするシーンから始まった。
エロビなんて初めて見るから解らないけど、こういうものなのかな…。


「うわー…」


さらに早まる心臓。恥ずかしくて目を反らしたくなったけど、それじゃあ勉強にならない。
羞恥に耐えながらテレビに目を向けるけど、


『んっ…。ねェ、気持ちいい?』
『ああ、気持ちいいよ』


見れるか!
なんか女性にも見やすいエロビらしいけど、全然見れないんですけど!
人さまのあそこなんて見たくもない…。でも解らないからちゃんと勉強しないと…。
これでマルコさんが喜んでくれるならしてあげたいと思う。でもなー…。


『なに?舐めてただけなのにびしょびしょじゃん』
『だって…。お願い、もう挿れて?あなたが欲しいの』


ギャー!も、もういい!フェラをしないならもういい!本番はいらない!
慌てて握っていたリモコンの停止ボタンを押す。
ブチッと音をたてて画面が暗くなり、私はそのまま息をついた。
片方のイヤホンを外して、DVDを取り出そうと取り出しスイッチを押そうとすると、


「なんだい、もう終わりかい?」
「……ふぎゃあああ!」


ソファに座っていたマルコさんに声をかけられた。
少しの間を置いて悲鳴をあげると、マルコさんは変わらない表情で両耳をおさえる。
驚いたのと、疑問と、羞恥でどんな反応をしていいか解らず、ただテレビの前で固まって泣く。
な、何でマルコさんが…!玄関の音も聞こえなかったし、それにまだ帰る時間じゃない…!


「な、なんで…!」


ようやく出た悲鳴以外の声に、マルコさんはスーツを脱いでソファに背もたれにかけた。


「思った以上に早く終わったんで帰ってきた。「ただいま」って言っても迎えにこねェから心配して部屋にあがったらあんなもん見てて驚いたよい」
「あ、あれは私が買ったんじゃなくて…!あの、友達から借りて…。なんていうか……」
「今から本番だってのに何で消したんだい?」


口角をあげて笑うマルコさんに、身体がビクリと震えた。
あ、あの顔は私で遊んでる顔だ…。
ダラダラと流れ出す汗。しどろもどろになりながら言い訳を言うが、マルコさんは「へー」としか言ってくれない。


「名前、こっちおいで」
「え…?」
「俺の隣に座れ。それで、一緒に見ような?」


普段絶対しない爽やかな笑顔で隣をぽんぽんとたたく。
固まっている私はテレビの目の前から動けるわけもなく、無言で答えてるとゆっくりとソファから立ち上がり、私を小脇に抱えてソファにおろす。
握りしめていたリモコンを取られ、再生ボタンを押した。
再び始まる行為に、私はさらに動けなくなる。
イヤホンをしてないから部屋に響き渡る女性の喘ぎ声にさらに居心地が悪くなった。許されるなら耳を抑えたいけど、身体が動かない…。
目のやり場にも困る。今さっきも困っていたけど、マルコさんと見るとさらに困る!
でもそれは私だけみたいで、マルコさんは普通の顔して見てた。ああ、その横顔も格好いいです。…じゃなくて!
普通お嫁さんと一緒に見るものなの?いやいや、ありえないでしょ。マルコさんは一体何がしたいんだろう…。


「ま、普通だったな」
「へ?」


考えているといつの間にか終わっていた。よ、よかった…。あのままあれを見てたら羞恥で死んでた。
マルコさんは立ち上がってDVDを取り出し、パッケージにおさめる。
テレビも通常の番組に切り替えて、また隣に腰を下ろした。


「物足りねェのかい?」
「なっ、何が…?」
「俺とのセックス」
「ち、違います!」
「じゃあ何で見てたんだい?別に悪いとは言わねェが、お前そういう性格じゃねェだろい」


あ、思ったより普通だ。もっと呆れられると思ったのに…。


「あの…。友達に……いつも気持ちよくしてもらうだけじゃダメだって…。だからその…私もマルコさんを気持ちよくしてあげたいなーって…」
「どうやって?」
「……フェラ」
「へー」
「が、頑張ります!マルコさんの為に何かしたいと思ってるし、やれって言うなら一生懸命頑張ります!」
「いや、いい」


きっと真っ赤になっているであろう顔でマルコさんを真っ直ぐ見て言ったのに、マルコさんはサラリと断った。
そ、そうだよね…。あれぐらいで上手になるわけないし、きっとまともにできない。


「無理しなくていいよい」
「無理じゃないです…」
「でもなァ…。あんまり好きじゃねェんだよい」
「好きじゃないんですか…?だって男の人は嬉しいって友達が…」
「してもらうってことが好きじゃねェんだよい。俺ァSだからな。されるよりしたい」


その言葉に「なるほど」ともやもやしていた気持ちがすっきり解決した。


「そりゃあ這いつくばせて「ぐちゃぐちゃにして」って懇願させてェとは思うが、お前そんなことしたら本気で泣くだろい。それがまた楽しいんだけどな」
「……」
「ほらみろい。だからしねェ。そこらへんのヤりてェだけの青二才と一緒にすんな」


笑って頭を撫でてくれるマルコさんに胸がきゅんとした。
普段は冷たいのに、こういうときは優しいマルコさん…。もう何年も一緒にいるけど、この恋が冷めるなんてきっとない。
マルコさんに胸に抱きついて、ぎゅっと力をいれる。


「マルコさん素敵!」
「そうかい。じゃあ旦那様からのお願い聞いてくれるかい?」
「マルコさんのお願いなら何でも聞きますよ!何ですか?」
「縛らせてくれ」
「―――え?」
「マンネリ防止のために名前を縛りたい」


真面目な顔で何を言うかと言えば…。
そんなの、


「無理に決まってますよ!やだ!絶対にやだ!」
「何でも聞くって言ったのは名前だろい?嘘はよくねェよい」
「だって…!縛るなんて…。怖いし痛いし…いやですよ…」
「名前、お前はほんと俺を理解しねェな」
「…」
「嫌だと怯えられると余計興奮する。暴れても構わねェよい。無理やり抑えるのも嫌いじゃねェからな」


初めて見たマルコさんがウキウキしている様子に、私は覚悟を決めた。


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