80万打部屋 | ナノ

今日も真面目にサボり

!ワンクッション!
コネタ「グータラ海軍日誌」シリーズより。
海軍夢?でおバカ男主。
レインベースで原作沿いのお話





「あそこだ!麦わらの一味だァ!!」


とある海兵が叫ぶと、海賊が背中を向けて逃げ出す。
それを追いかけようとするも、その場にいた将校、スモーカーは黙って何もしようとしない。
一人の海賊が歯をむき出してスモーカーに笑いかけると、スモーカーは十手を振り回す。
海賊は焦ってその場を逃げ出し、海兵がスモーカーを横切って彼らを追いかけ始めたが、スモーカーが止めた。


「おれがいつ上官の意見を聞いたんだ!?」


部下と数回やりとりをし、睨みつけてその場をおさめる。
海軍が海賊を逃がすなんて前代未聞。
スモーカーは海賊が逃げ去った道を睨み、踵を返して収集するまで休もうかと思ったら、


「…テメェ、いつからそこにいた」
「海賊に救出されるところからっス。照れるスモーカーさん超気持ち悪かったっス。おえっ」


彼の後ろにいたのは、スモーカーの部下・名前。
手には大量のお菓子が抱えられており、口の回りにも食べカスがつきまくっている。
海軍ジャケットも多々汚れている。
それを見たスモーカーは深い眉間にさらにしわを入れ、煙を吐き出した。


「今は勤務中だ」
「そうっスね」
「じゃあその手に持ってるものは何だ」
「お菓子っス。あ、スモーカーさんにはあげませんからね!これ自分で稼いだお金で買ったんスから!」
「万年金欠のテメェにそんな金ねェだろうが!」
「ざーんねん!あそこでちゃんと稼いできましたァ!」


そういって名前が指さすのは、つい先ほどまで自分がいたレインディナーズ。
レインディナーズ……カジノ。


「見間違いか?もう一度聞く。どこから菓子を買う金が出てきた」
「だーかーらー。これとか、これとか、これで稼いだんス」


ルーレットを回す真似。トランプをきる真似。スロットを押す真似。
それらのジェスチャーをしたあと、「解りましたかァ?」と小馬鹿にする態度でスモーカーに報告すると、スモーカーの額に青筋が一つできあがった。


「海兵がカジノに行くんじゃねェよ!規則違反だ!」
「ハァ!?そんなの聞いたことねェし!海兵だってたまにははっちゃけたいときだってあるじゃねェっスか!」
「テメェはいつでもはっちゃけてるだろうが!仕事は真面目しろって何度言やァ解るんだ!テメェは猿以下だな!」
「スモーカーさんだって麦わら一味取り逃がしたじゃねェっスか!何で俺だけ責められないといけねェんスか!それにカナヅチなのにそこの池ではっちゃけてたし」
「はっちゃけてねェよ!テメェの目は節穴か!」
「でも、海賊に助けられ、海賊に「お前ェ嫌いじゃねェなー」って言われ、照れて見逃す。って、よくなくないっスか?」
「…いつから見ていた」
「だから、海賊に助けられてるところからって言ったじゃないですか。脳みそ腐ってんスか?」
「それを誰かに話してみろ。本気でクビにした挙句、赤髪海賊団にテメェを売り飛ばす」
「あ、赤髪に!?か、勘弁して下さいよ…!あそこの船長マジ苦手なんスから…」
「オラ、今から兵が集まるからその菓子をさっさとしまえ。あとテメェも部隊編成しろ」
「えー……仕事っスか?」
「もうちょっとしたらヒナが来る」
「よーし、今日も真面目にがんばろー!」


持っていたお菓子の大半をカバンにおさめ、残ったお菓子は口に入れて処理をする。
街に散らばっていた海兵達が集まり、名前は真面目に部隊を編成。
文句を言うことなくテキパキと指示を出し、今から起こるであろう大きな戦争に向けて準備を整えるのだった。


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