コネタ部屋 - - - - - - - - - - - ▼ 患者を求めて…。4 「お、マルコ。ここにいたのか、探したぞ!」 「…」 青年と鉢合わせしたマルコは、無言で振り返り早急にその場から立ち去った。 しかし、青年もその後ろからついてくる。 逃げれば追いたくなるもんだ。と悪意のない笑顔で言うのだから、どう反論していいかすぐには出てこなかった。 「なんか用かい」 「なに、たまにはマルコとコミュニケーションを取ろうと思ってな」 「それはご苦労なこって。結構だい」 「ふむ、相変わらずいい腰つきだな。いいぞ、俺はその魅惑の腰が好きだ!」 「触んじゃねェよい!」 飾り布を掴んで動きを止めてから、露出された腰に手を伸ばそうとしたが、マルコに叩かれ阻止される。 「嫌いだ嫌いだという割りには俺に触ってくるよな。そうか、これが噂に聞くツンデレか!いいぞ、おっさんのツンデレは萌えだ!」 「そのポジティブはどっからくるんだい。ちょっとしたことで喜ぶな」 「ちょっとしたことでもポジティブに考えれる俺、格好いいだろう!?」 「意味が解んねェよい。人間になってやり直してこい」 「なんだ。マルコは俺のことを人間以下だと思っていたのか?いや、ゴミ以下としてでも俺を『そこ』にあるものだと意識してくれてることに感謝しよう!」 「どこまでポジティブなんだい。いいからさっさと医務室戻れよい」 虫を払うよう手で青年を遠ざける。 これから部屋に帰って報告書をまとめる仕事が残っている。 たったそれだけだが、演習とは違う体力を奪われる。まだ身体を動かしているほうがいい。 だと言うのにこの会話で体力を大幅に削られてしまった。 「今から仕事があるみたいだが、その前に飯食っとけ。いつもより体温が低いうえに覇気がない。弱いマルコも勿論萌えだが、俺は強気マルコ派だ!」 「……誰もんなこたァ聞いてねェよい」 「疲労もたまっているみたいだな。マッサージしてやろうか?」 「結構。テメェにされるぐらいなら過労で死んだほうがマシだい」 「じゃあ元気になる飲み薬を出してやろう。あ、息子のほうじゃないぞ!」 「女もいねェのに必要ねェだろうが…!いいから黙って帰れ」 「俺がいるじゃないか!」 「男を、ましてやテメェを抱く趣味もねェ」 「違う!俺がマルコを抱くんだ!」 「気持ち悪いこと言ってんじゃねェぞテメェ!」 「いいぞ、元気が戻ってきたな!あとで睡眠薬も持っていく。いい子で待ってろよ!」 「ッ…!頼むから来るな…!お前が来なければもっと元気だったんだいっ…!」 「疲れたマルコも萌えだな!」 軽快に笑いながら医務室に戻って行く青年を見届け、マルコは重たい息をはいて泣く泣く部屋へと戻って行った。 そして数分も経たずして青年は宣言通りマルコの部屋へとやってきた。 「マルコ、元気になる甘いお薬も持ってきてやったぞ!これなら飲めるだろ?」 「ガキ扱いすんじゃねェよい!」 「苦いのがダメなのかと思って持って来てやったんだ。飲め!」 「そんな怪しい薬誰が飲むか!ああもう帰れよい!」 「怒るマルコも萌えだ!さあ、もっと俺を怒ってくれ!」 「海へ還れッ!」 ( △ | ▽ ) |