コネタ部屋 - - - - - - - - - - - ▼ 患者を求めて…。2 「―――幼女が服に絡まって俺の助けを求めてるって!?」 「どうしてそうなった」 いつものように扉を勢いよく開け、開けると同時に意味の解らないことを叫ぶのはこの船の医者であり、白ひげ海賊団の汚点である青年。 その場にいたエースが冷たい声でツッコミを入れる。 青年は息を整えながら周囲を確認し、嬉々とした顔で持っていたティッシュを鼻に詰め込んだ。 「で、幼女はどこだ!?そうだな、俺としては黒髪の子がいいな!」 「誰も聞いてねェし。つかこの船にガキなんているか。おい、鼻血出し過ぎてティッシュが赤く染まってんぞ!」 「つい興奮してしまった。大事な血を勿体ない…」 「興奮しなきゃいいだけだろ…」 「……エース、俺の血いるか?」 「いるわけねェだろ!どう言う思考回路してんだ!」 「そうだな、エースは血気盛んだもんな!うん、いいことだぞ!だからちょっと血を分けてくれないか?」 「まともに会話しようぜ!」 真っ赤に染まったティッシュをポケットにおさめ、新しくつめながらもう片方の手から注射器を取り出す。 青年の白衣裏にはたくさんのメスや温度計や聴診器といった医療道具が収められている。 その中の注射器をエースに向け、「な?」と爽やかな笑顔を浮かべる青年だったが、エースは一歩後退して警戒する。 「……血ィ採ってどうするつもりだよ」 「なに、実験に使おうと思ってな。安心しろ、大事に使うぞ」 「お前に渡す時点で安心できねェよ!」 「何を言うエース。お前の血だぞ?少し舐めたあと顕微鏡でよく観察し、健康状態をチェックするだけだ」 「舐める必要ねェだろこの変態が!」 わあああ!と叫びながら青年から逃げていくエース。 その背中を見ながら、「たくましい背中だな」と青年は微笑んだ。 ( △ | ▽ ) |