コネタ部屋 - - - - - - - - - - - ▼ 患者を求めて…。1 !注意! 風人間の男主ではありません。 医者設定です。詳しい設定は下の記事を。 「いっ…!」 「どうしたサッチ?」 「あー…切っちまった」 持っていた包丁を置いて、切った指を見るとじんわりと血が浮かんできた。 敵船との戦いでよくケガをすることはあるが、それとは違った痛み。 エースがサッチの指を覗きこみ、「舐めときゃ治る」と笑うのでサッチも笑って指を舐める。 深く切ったわけではないのでそれ以上の流血はなかったが、食堂の外がどたどたと騒がしくなった。 「サッチ、ケガをしたって本当か!?」 「やっぱ来たか…」 「血で汚れるサッチも萌えだ!」 けたたましく食堂の扉を開けたのは白衣を身にまとった一人の青年。 ハァハァと息が荒いのは走ってきたからなのか、それとも興奮しているのか。 しかし答えはすぐに解った。後者だと。 その青年が入ってくるなり、サッチはあからさまにイヤな顔を浮かべる。 「どれ、見せてみろ。俺が治してやる!」 「舐めときゃ治るからいいって…」 「舐めっ…!おまっ、俺が舐めていいのか?くわえていいのか?」 「すぐそっちに妄想すんな、気持ち悪ィ!あとテメェは舐めるな!」 「サッチの指はうまいからな!」 患者(とまではいかないが)が拒否をしているのに、青年は関係なしにサッチの腕を掴んでケガをした指をパクリとくわえた。 舌を這わせ、少し血を吸い取ってから絆創膏をつける。 「うし、これで大丈夫。俺の唾液が入ってるからな!」 「お前の唾液に殺菌作用とかあんのかよ…。つかマジ気持ち悪ィ…!」 「俺の菌は強い!」 「自分で菌って言うな!あああもう洗いてェ!」 「ウサギちゃんの絆創膏だ。嬉しいだろう?」 「ガキ扱いすんな変態!」 治療できたことにご満悦の青年だが、患者からは非難の荒らし。 しかし青年は文句を言うことなく、ただ笑みを浮かべてサッチの罵倒を全て受け入れる。 「なんとか言ったらどうだ!」 「いいのか?よし、言ってやろう。サッチ、お前の罵倒、気持ちよかったぞ!俺への愛がなければ言えないことだ。だから全て受け入れる!」 爽やかな笑顔で親指をたてる青年に、サッチの怒りは吹き飛び、今度は寒気に襲われる。 二人のやりとりを始終見ていたエースもさすがに乾いた笑いしかできなかった。 「それより何でサッチがケガしたって解ったんだ?」 「医者の勘だ!」 「勘を飛び越えてただのストーカーだろ」 「そうだな、俺は皆を愛してるからな!勿論、エース。お前も愛してるぞ!」 「あ、結構です」 「遠慮するな!エースの筋肉は萌えだからな。できれば今日も触らせてほしい!」 「触るな!テメェ変なとこ触るからやだ!」 「成人男性の「やだ」発言萌え!変なとこってどこのことだ?できたらその口から聞きたいぞ!」 「マジ来るな!ひい、サッチ助けてくれ!」 「断る!そのままそいつをどっかに連れて行ってくれ!」 「おっとサッチ。その絆創膏はぐなよ。ウサギちゃんだからな!」 「意味解んねェし!」 食堂で騒ぐ三人を外でこっそり伺っていたマルコは、何事もなかったかのようにその場から静かに立ち去った。 ( △ | ▽ ) |