続々・彼シャツまであと一歩 ナツ+ミッドナイト【下ネタ注意】



「なぁ、一箱で足りんのか?」
「……何回ヤる気でいるの、君は」

大型ドラッグストアーの奥、おそらく人生で一番真面目な表情で、ナツは陳列棚を眺めていた。
その後ろ、ミッドナイトは呆れた表情で携帯から顔を上げる。
二人が今いるのはコンドーム売場。
ガジルがコブラに相談しているように、ナツもまたミッドナイトに相談を持ちかけていた。

「え、何、これってそんなに入ってるの?」
「どう見たってそうでしょ。何、君は彼女と何回シたいわけ?って言うか彼女初体験だよね?」
「何回って…満足するぐらい?ちなみに俺も初体験」
「それは聞きたくない。あのさ、初体験の子相手に『満足するまで』って正気?絶対嫌われるよ」

ガジルと下着見て帰るな〜、と言うコブラからのメールに返信し、携帯をポケットに突っ込む。
嫌われる、と言う言葉に目敏く反応し、ナツはミッドナイトを振り向いた。

「え…じ、じゃあ、お前らは何回やったんだ?」
「何でコブラの濡れ場を語らなきゃいけないわけ?え、何、本当にナツって馬鹿なの?」
「いいじゃねーかよ!!俺初めてで容量わかんねーんだから」

そんな偉そうに言われても…
軽く頭痛を覚えたミッドナイトは、微かに眉間に皺を寄せた。
まあ確かにナツよりは経験豊富だし助言はしてやるべきだ。
このままではガジルが危ない。色々な意味で。
ブーブーと文句を言うナツを押しのけ、陳列棚から二つ商品を取った。

「今はこれが良いらしいよ」
「へぇ…どんな風に?」
「0.02ミリの薄さで、生でしてるみたいな感じ」
「……使ってんのか」
「まあ、僕だって出来たら生でしたいからね。でも、コブラの為でしょ?」

ちょっと値が張るけどね、と付け加えながら、次の箱。
蝶やケーキが印刷された可愛らしいパッケージだ。

「こっちは香りや色付き。パッケージも可愛いから女の子も買うらしいよ」
「コブラも買ってんのか?」
「いい加減にしないと本当にど突くよ?コブラは買いません。僕と一緒に見にくる事はあるけど」

箱の角でナツを殴り、また手渡す。
痛い!と喚いているが完全に無視。
こんなに性欲旺盛なのに、今までよく我慢できたものだ。
そこだけは褒めてやりたい。

「まぁ、これくらいじゃないかな、初めてなら」
「じゃあ、この二つをあと二箱ずつくらい…」
「僕の話聞いてた?」
「おう!次はガジルと一緒に買いにくる!!」
「ダメだこいつ」

キラキラと少年のような笑顔を浮かべるナツに本格的に頭痛がしてくる。
あ、そうだ、僕も少なくなってきてたんだ。
嬉々としてレジに歩いて行くナツの後ろで、ミッドナイトも一箱手に取って歩き出したのだった。



E N D



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