乾貞治


 バイト2日目。開始時間ピッタリにバスルームを訪れたのは、青春学園3年の乾貞治くん。
「乾ってば、お風呂でくらい眼鏡外しなよ」
「曇り止め仕様だから問題ないよ。不二の姿もよく見えるしね」
「……エッチ」
 僕の軽口に鷹揚な笑みで応え彼はタオルで前を隠したまま湯船に足を踏み入れた。
「そういえば乾、あの時のケガはもう大丈夫なの?」
「ああ、あれは病院側が大袈裟に包帯を巻き過ぎただけだからね」
「それもだけど、焼肉の時の、あの……」
 僕は後から知ったんだけど、テーブルの上に勢いよく倒れちゃって、不運にも剥き出しになってた股間を網でジュウゥゥ…って。乾の大事なアソコが焼肉になっちゃったって。
「ああ。実は今日はその事で相談に来たんだ」
 完治まであと少しらしいんだけど、若い男の先生が治療に便乗してセクハラしてくるんだって。それで乾はもう通院するのは嫌だって言うんだ。
「だからって、ほっとく訳にもいかないでしょ。デリケートな部分だし、舐めとけば治るってものでも……あ!」
 もしかして……?
 僕は視線を上げた。彼の分厚いレンズが鈍く光る。
「さすが不二、察しがいいね。唾液には粘膜保護や洗浄効果、加えて殺菌、抗菌作用があるんだ」
 淡々と説明しながら彼はゆっくりとタオルを外した。それって、つまりは……。
「舐めてくれるね、不二」
 ボロンと大きなオチンチンが僕の唇に押し付けられる。舐めたらホントに治る……かな?
 探るように舌先で尖端をペロッと舐め上げてみた。乾のモノが生き物みたいに震えて何だか愛おしい。
「早くよくなりますように」
 そう願い唾液を塗り込むようにしゃぶりついた。
 ジュパ……ジュ……。
「痛くない? 大丈夫?」
 僕は舐めながら彼の顔を窺う。辛いのかな、息が荒くなってる。
「いや、続けてくれ……出来ればもっと万遍なく頼、むっ」
 僕は言われるままセラピーを続けた。亀頭……カリ……サオ……裏スジ……。玉袋も片方ずつポワンとほおばって潤してあげる。
「ねぇ乾……何だかさっきより腫れてきたみたいなんだけどっ?」
「そ、それは……好転反応だ……よ、っハァ」
 全快までもう一息ってこと?
 でも硬くなっちゃってるし、今にもはち切れそうで、これじゃ、まるで──

「くぅ、不二、イクよ……っ!」

 ドピュ…──

 顔面に白い液体が降り注ぎ、むせ返るほどの雄の匂いと立ち込める湯気に頭がぼーっとする。

「「治療完了だね」」

 僕が無意識に、彼が確信的に呟いた言葉は同じで、二人は笑いながら抱き合った。
 乾のオチンチン元気になってよかった。


 END


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