∴ 4 「天空くん!お願いやめてっ、ワシミミズクが巡回してるから…!だからっ、」 「うん?あの子達は頭イーから、フェラしてるくらいだと不審行動と捉えないよ?」 「でも、目がカメラになってるんだよ!?」 「大丈夫だよ。何か問題が起きない限り、フクロウのカメラデータなんてチェックしないからさ」 「そういう問題じゃ…ひぁ!ああっ、吸わな、で…!」 微かだが、風を切る音が聞こえた気がした。鳥が翼をはためかせ、空気を叩くような音が… 「ひっ、んっ、やぁ、だめっ、やめてっ…」 それなのに万里は口淫をやめてくれないところか、イかせようと激しく吸い付き始める。 しかも今度は下着を下へとおろしていた左手を操作され、万里の後頭部をグッと押し込むように置かれた。これじゃあ快感に溺れて咲弥が万里に「もっとしてほしい」とほしがっているみたいではないか。 全然欲しがってなどいない。寧ろ早くやめてほしいのに、そんな体制にされて長い髪を振り乱しながら悔しさに涙を流した。 でも、悔しくても快感の波は逃れられない。 尻肉を両手で鷲掴みにしながら、大胆に頭を前後してジュプジュプと下品な音を立てる激しい口淫に、もう我慢の限界だった。 「あぁ〜、あー、あっ、あぁん!」 遠くにはワシミミズクのミ゙ャーという濁った鳴き声が聞こえる。そしてそれは徐々に近付いている。 「いやっ!やぁ…!あっ、あっ、ああっ」 褐色の獣の色が確認出来、こちらへともの凄いスピードで向かってくる姿まで見えてしまい、もう駄目だった。 「ミ゙ャー!」 「あっ!あぁっ!と、撮らない、でぇ…!!」 大きなワシミミズクの影が、二人の上に重なる。レンズになっている黒い瞳がこちらを向き、首をこちらへ固定しながら飛び去っていくと同時に、咲弥は射精してしまった。 「ああぁっ!出ちゃ、出ちゃうぅ…!!」 顔が真っ赤になり汗が額に浮かび、口端から涎を零しながら、ガクン!と大きく痙攣した。 物凄い快感の波に襲われながらそのまま痙攣は止まらず、天井を向いてあーあーと叫びながら膝をおかしい程震わせ、万里の口内で精液を出し尽くした。 「あん、あっ、いやぁ、撮られたじゃん、酷い…」 「んちゅ。ちゅぅ……はあ、やっぱり咲弥のザーメンは美味いね。とても甘くてでも後味が爽やかなんだよ。何でだろう?水属性だからかな?凄くくせになる美味しさなんだよね」 「し、知らない…うるさい、もう、しゃべるなよお…信じらんない、バカ、バカぁ」 「もー、そんなかわいくないこと言わないでよ。ほら、お掃除フェラしてあげるから」 「やだぁ、まだ舐めるの…遅刻しちゃう…」 「あ、そっか。それは困るなぁ。本当はもっとペロペロしたいんだけど、また明日ね」 唇が離れ、魔法が解けても快感の熱はまとわりついたままで、ヨタヨタとしか歩けない咲弥は、見兼ねた万里にお姫様抱っこをされてその姿で登校するという屈辱を受けるのであった。 *** 「皇、英語やってきた?俺、分かんない所あってさ、ちょっと見せてよ」 Sクラスの教室では、右隣の席で仲の良い南野仁(みなみのじん)がテキストを取り出し咲弥の机と自分の机をくっ付けてきた。 仁は風属性の生徒で、咲弥と同じく全国高校の部のナンバーワン生徒だ。 風の精霊への信仰心が厚く、学園にある神殿での祈りを欠かせないことは勿論だが、世界各国にある風の寺院を訪ねるほどの熱心な魔法使いである。 その為、風の精霊に一番に愛され、将来は風の王の位置につくのではないかと噂されている。 そしてその熱心な信仰ぶりが本当にあるのかと疑ってしまうくらい、仁の見た目がクールでチャラいのがまた良い。 北風のように冷たそうな表情にアイスブルー色の瞳をした冷めた眼差し。ミルクティのように薄い茶色い髪にはパーマがかけられ、男性アイドルのようにオシャレにセットされている。 耳にはいくつものピアスがぶら下がっているし、ブレザータイプの制服の着こなしはだらしない。と言うか、たまにTシャツにパーカーというスタイルで登校してくる程だ。 だが根は真面目で実力は申し分ない。そのギャップに咲弥は面白さを感じている。 窓際の後ろから二番目というなかなか良い席で、窓から入る爽やかな風を受けながら咲弥もテキストを取り出した。 ここの席は良い。近頃、アーパスと同じマジックペットの不死鳥が飛んでいるのをよく見れるのが好きだ。炎で出来たその不死鳥は、一千万以上する高額ペットで、生で見ることなんて殆どないから、ここから見れるのはとても嬉しい。 今も、空をくるくると飛んでいるのが見える。 |