それを跪いて菓子を食べながらじっと見つめる万里の視線が痛くて、咲弥は涙目をギュッと瞑った。

万里には人を操る事が出来る、どの属性にもない特別な魔法があったのだ。

「うん、いつ見ても毛がないツルツルで可愛いおちんちんだね」
「…うるさいっ」
「抜かないで寝た?触ったような跡が無いなあ。まあ、昨日俺がフェラしてあげたし、オナニーして寝ることもないか。はあ、今日もカワイイ…本当カワイイ…」
「っ、むかつく…死ね!」
「酷いなあ。こんなに愛してるのに」

チェックするようにわざとらしく陰茎の先端を摘んで持ち上げ、裏筋や鈴口を観察してくる。陰嚢にも触れられ、指先で数回撫でられるとからかうようにゆらゆらと揺すられた。

「っ、ん、」

本来なら毛があるのだが、何故か生えないつるっとしたそこを愛おしそうに撫でられたり、片手で陰茎を上に向けながらもう片手の人差し指で、先っぽをクルクルと触れられると、咲弥の下半身はゆっくりと反応を示し始める。

「咲弥、これ好きだよね。フェラされる時も舌でチロチロ舐められると、すぐカワイイ声出ちゃう」
「言わない、でよっ…んっ、ゃっ、」
「ほら、おちんちんあったかくなって来たよ。やっぱり先っぽ好きなんだ。裏筋より、こっちの方が気持ちいいの?」
「んっ、し、知らな…ぁ、も、やだ…っ、やだやだっ」

恥ずかしいことを聞かれながら恥ずかしい場所を触られると、どうしても下半身に熱が集まってきてしまい…

『まただ。もうやだぁ…』

ゆったりと隆起して、手で抑えなくとも陰茎は立派に天井を向いてしまうのだ。

「ひっ、んっ、ふ…うぅ…」

それが恥ずかしくて恥ずかしくて少しでも見られないように膝を内股にさせるが、何の効果も無い。
いつの間にか菓子を仕舞った万里の、荒い息がかかる程近くから見られてしまっているし、邪魔になるローヴは自分でしっかりと捲っている。

「ぉ願い、もう、み、見ないで、もういいでしょ。おしまいにして…」
「えー、これから味のチェックするんだからダメだよ?今日もちゃんと美味しいか確認しないとね」
「うそ、そんな、今日もするの……ぁ!あん!あっあっ!」

小ぶりな陰茎は簡単に万里の口内に収まった。昨日もそうだった…昨日もその前も廊下でチェックだと言いながら口淫をされてしまったのだ。もしかしたらまだ残っている生徒がいるかもしれない寮の廊下で爽やかな日の光を浴びながら、咲弥は朝からいやらしいことをされてしまった。
それが、今日も続くのだ…

「ひぁ、ああっ、あんっ、んっ、いや、なめな、でぇ…」
「ふごい、みふほくへいだから、ふぐ濡れ濡れになるへ」
「!しゃ、しゃべるのも、だめぇ…あっ、あっ、んんっ」

吸い上げたり唇で扱きあげたりせず、口の中でコロコロと飴を転がすように味わいながら舐められ、背筋がゾクゾクする。しかもそうされながらしゃべられたりもして、咲弥は涙を溜めながらその快感に溺れていきそうになった。
だって、人からこんなことをされたのなんて万里が初めてだし、不本意ながらも気持ちがいいのだ。

「やっ、天空くん、もうやだっ…!おちんち、食べな、で…」
「ちゅん、んんっ、…何で?気持ちくない?」
「あっ!あぁっ…んっ!」

イタズラにレローっと上から下へと裏筋を舐められ、背中が仰け反るくらい感じてしまう。みっともなく震えながら鈴口からカウパーを溢れさせると、万里は「勿体ない」と言いながらまた口に含む。
それが気持ち良くて、鈴口からずっとカウパーが滲み出るばかりだ。

『もうダメ…また今日もイッちゃう…このままじゃ、天空くんの口の中に、また出て…』

このまま口淫されれば、あっという間に出てしまうだろう。そしたら万里にちゅうちゅうと吸われながら飲み干され、今日の味の感想を言われるのだ。
そんな屈辱的な事は堪えられないのに…嫌なのに…咲弥の精液は出口を求めて熱くなっている。
どうしよう、イッちゃう…そう思った刹那、廊下にある壁掛け時計が視界に飛び込んできた。

『8時15分…』

いつもよりも部屋を出るのが遅かったからか、時刻はもうそんな時間になっており、流石にこの時間だと生徒達は登校していて寮にはいない。
だからそれは安心なのだが、確かこの時間は…

「!」

警備フクロウのワシミミズクが寮内を巡回している時間だ。
今も、遠くの方で猫の鳴き声を濁らせたような、ワシミミズクの鳴き声が響いている。