∴ 23 「うん…今挿入ってる水のより少し太いけど…このくらい」 「あ!…ぁあん!」 いいも悪いもまだ言っていないぞ!と怒りたいのに、万里の指を挿入されて体が勝手に跳ねてしまう。 『え!?なにこれ!?』 潤滑油のように粘膜を持たせた温水に包まれているのだろうか、節の硬さは感じられず、何だかムニムニとした柔らかさのあるシリコンを挿れられている感じがする。 「うぁ、あぁっ、これ、なに、指なの…!?」 「そ。ちゃんと水で覆ってるから痛くないよね?…この辺、気持ち良くない?」 「ひぁ!あっ、うそ、なにそれ…ん!あぁっ」 「ここのフワフワしてるの、前立腺っていうんだよ。水だとやっぱ刺激出来なかったみたいだね、俺の指だとちゃんと押せる…」 「なにこれぇ…おちんちん、変になるっ…」 万里の指が進んだ先…丁度、陰茎の裏側辺りだろうか、そこを撫でるように押されると、腰の奥の方がむずむずとしてくるのだ。 排尿感に似たような、射精したいような…そんな快感が突き抜けて行き、咲弥から力が抜けていく。 「やだ、やだやだ、きもちぃよぉ…そこだめっ、きもちくなっちゃう…!」 「え、マジで?やっぱ咲弥素質あるんじゃないかな?いいよ。イキまくるまでクチュクチュしてあげる」 「んんっ、ふぅっ、ゃだ、おちんち、も触って、そこだけはやだっ!」 「解ってるよ。じゃあさ、体制変えよっか」 強過ぎる上に今まで味わったことのない官能に、体も心も素直になる。イキたくてイキたくて仕方なくなって、思考をグズグズに溶かした。だから気持ち良くしてくれる万里の言うことなら、今なら素直に聞いてしまうのだ。 「あっ、ああっ、ぁんっ」 尻を弄られながら体の下にあるクッションを抜かれ、両手をベッドヘットを掴むようにと誘導される。膝を付いたまま上体を起こした体制になると、その開いた脚の間に万里は仰向けに顔を入れてきた。 そしてシトシトとカウパーを零す可愛らしい陰茎をパクリと食べたのだ。 「まら、おひんひんチェックひてなかっらよね」 今日はまだあのふざけた"おちんちんチェック"をしていないから、と薄目で笑った彼は、ちゅうちゅうと吸いながら後孔を愛撫したのだ。 「あ!やぁぁぁん!両方、そんなぁ…」 …もう、後は蕩かされるばかりだ。 咲弥は簡単に射精して、それでもずっと後ろを弄られているせいでいやらしい喘ぎ声を止めることは出来なかった。 「も、らめっ、天空くん、おちんちんも、おしりも壊れちゃうっ、もう気持ち良くするの、らめぇっ、」 「何回もイッていいよ。全部飲んであげるから」 「やだぁ!恥ずかし…やだ、やだぁ…あっ!あうぅっ…!」 こうしてこの日はイかされまくり、咲弥は登校する事が無かったのだ。 *** 水属性の授業もサボった上に、その翌日は全授業無断欠席。いくら水魔法ナンバーワン高校生だと言っても、それが許されるわけはない。 「はぁぁぁ」 咲弥はため息を吐きながらノートパソコンにレポートを打ち込んでいた。 「論文の感想文なんてまだいいじゃん。ほかの奴らのペナルティなんてもっとキッツいぜ?その程度で済んだとかかなり優遇されてんだろ」 「私はサボりたくなかったんだよ。でも、もう遅かったし…」 「体調不良?それなら先生に言っといてやるけど?」 「ううん、凄い健康だったよ…ごめん聞かないで。とにかく課題やるから…」 隣の席の仁は、タブレットで漫画を読みながら心配そうに咲弥を見つめている。絶対何か事情があるはずだ、悩み事があるなら相談に乗るぜ。なんて真摯な視線が痛くて、少しだけ仁に背中を向けた。 昨日、万里の部屋に訪れた時に出されたオレンジジュースが、実は酒だったのだ。 いや、元々は万里の言うようにちゃんとしたオレンジジュースだったのだが、そのジュースにアルコールを入れてカクテルにしていたらしい。「オレンジだからチョコに合うと思って作っといたんだよね。美味しかったでしょ?」と悪びれずに言った彼に対し、何度ももやしパンチを食らわせた。 飲みすぎた上に色々とエッチなことを散々されたせいか、気付いた頃には気持ち悪くなったり頭痛がしたり…と、まるで二日酔いに遭っているような(まあ、二日酔いなのだが。)症状が出てしまったせいで、ずっと寝込んでいたのである。 『だから私、あんなだったんだ…』 酔っ払っていたせいで判断力が鈍り、万里にまたまた痴態を晒してしまった。しかも、あの夢は本当に万里は何も関わっていないらしく、結局は咲弥が自爆しただけなのである。 |