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「次はちゃんと、天空くんにならしてもらう…」
「俺でいいんだ?」
「何で?他に卑猥なことをしてくる人なんていないもん」
「あはは、だよねー」

いいよ、じゃあ今から教えてあげる。万里は咲弥の小さな耳に囁きながら、ゆっくりと下着を脱がせた。

***

大きなクッションを胸や腹の下に敷かれて、咲弥は高く腰を上げるスタイルになった。辛くないようにと用意されたそのクッションを抱きながら、背中をしならせてアンアンと喘ぐ。

「あっ、あんっ、あぁ、なに、あったかい…」
「全属性使える俺ならではの魔法だよ。炎で温めてお湯になった水で、咲弥の可愛いお尻を解して上げてるの。気持ちでしょ?」
「んっ、ゃ、まだよく、わかんな…」
「まあ、始めたばっかだしねー」

後ろを振り向くと、万里の上にリンゴ程のサイズの水の珠が、下半分を炎に包まれて浮いている。そこから細い管となって伸びたあたたかい水が、咲弥の尻の穴を刺激しているようだ。
水圧は特に感じられない。ただ、あたたかく柔らかくトロトロとしたものが触れていて心地良い。

「お尻はこうやって濡らしてほぐしてあげると気持ちいいんだよ。乾いていると痛いからね。だから普通はローション使うんだけど、ローションは温かくないから、俺のこの魔法の方があったかくていい感じなんだよ」
「そうなの、しらな…んっ、ぁ、なんか…」

陰部全体を葛湯のような蕩けた感触のする温水が包んでいて、じわじわとした興奮を与えてきた。
柔らかくマッサージをされているみたいな安心感と、イタズラをされているようないやらしいくすぐったさが同時に咲弥を刺激してきて、ただでさえ働かない思考が余計に機能しなくなってしまう。

まだ硬さの残る後孔から、幼くてプリプリとした柔らかい陰嚢までを温水が蠢き、優しい圧をかけて押してきたり撫でてきたりして、気持ちがいいいい。

「あっ、んんっ、んっ、はぁんっ」

自然と陰茎に血液が集まり、可愛らしく桃色に染まっていってしまう。

「お尻どう?」
「あぁっ、くすぐったい…かも…」
「じゃあタマタマは?」
「ひん、そっちは、気持ちぃよぉ…」
「そっかぁ。まだまだかな」

何がまだまだなのかは解らないが、コクコクと首を縦に振った。すると、入口をこじ開けるように温水が動き始めたので、咲弥は思わず背中をしならせる。

「あん!」
「痛い?」
「あ!あっ、はぁっ…!」

あたたかくて柔らかいそれが徐々に中に挿入ってくる。にゅるっと動き、内壁や入口の縁をやわやわといじりながら着実に進めてくるのだ。

「あ!だめっ、変だよ、なにこれ…!」
「水が挿入ってるだけだよ。痛くないよね?」
「ああっ!んっ!…わ、わかんない…!ん!」

肌が粟立ち、寒気に似た官能が走り抜けていった。勝手に腰が揺れて拒んでいるのか求めているのかよく分からない動きをしてしまうが、何だかいつもと違う。変だ。
ソフトな感触で気持ち良いと思っていたけれど、中に挿入られると別なようで体内をずるずると動かれるのは心地よくない。怖いし、言いにくいけれど排泄に似ている感じがするし、越えてはいけない一線を越えてしまったみたいで罪悪感がふつふつと湧き始める。

「変な感じっ…き、きもちわるいっ…うっ、んん!」
「気持ち良くない?」
「良くないよ!ゆ、夢とは大違いだもん…ひっ、ひいっ、」
「でも安心して。咲弥のお尻は切れてないしちゃんとやわやわになってきてるよ」
「も、そんなの言われても、わかんないってば…!」

尻肉を掴んでチェックする万里は呑気なものだ。やられてる方の気にもなってほしい。いくら痛くなくても違和感は凄いのだから。

「気持ちよくないぃ…ひっ、ううっ、」
「でもまだ勃起してるよ?全然萎えてないし」
「だって、エッチなことして、んだもん…」
「なに?咲弥は気持ちよくなくても、エッチなことしてるって思ったら勃っちゃうの?」
「え、そ、いう意味じゃなくて…ん!」

傷つけないように、痛くしないように、と優しく柔らかく温水は動くのだがその異物感は凄くて早く抜いてほしいという気持ちでいっぱいだ。しかしそれなのに万里が言うようにエッチな事をしていると考えてしまうと、勝手に興奮して勃起がおさまらなくなってしまう。
温水で中を広げように押されていたり、こんな姿を見られていると思うだけで、体がより一層熱くなった。

「そういう意味だろ?いつもより、おちんちん凄い…ねえ、俺の指も挿れていい?」
「え?指…?」