∴ 4 奮わせながらとくとくと垂れる精液の温かさを感じながら、甘えるようにスマートフォンに頬を付ける。アキラが恋しくて恋しくて仕方がない。 優しい中に興奮した色を見せる声に、桜介も興奮してしまう。 でも、射精はアキラの命令ではない。 《久しぶりだよね?いっぱい出た?》 「ぅ、ん、はい……う、ひっく、ごめ、なさ…」 《どうしてだい?謝ることではないだろう?》 「でも、勝手にイッちゃって…っ」 《…ああ、そうだね。うん。いけないね、俺は射精までは許していないな》 やはりそうだ。アキラはそこまでしても良いとは言っていない。 乳首を摘んでいいと言っただけだ。射精までは、まだ… だから小さい声でもう一度ごめんなさい、と謝ると、今度は少し掠れた、含みがある声に変わる。 《悪い子だね、桜は…俺はいいよって言わなかったのに》 「あぅ、あきらくん…」 《だから今度会った時、うんとオシオキしてあげる。今は何も出来ないからね、このまま桜を愛するよ》 「ふ、あの…」 《その代わり。どう気持ち良いのかはちゃんと言わなきゃだめだからね。俺は桜のエッチな姿が見たいのに、見られないでいるんだから》 「あ、はい…分かりました…」 お仕置きは今度…期待に胸がドキドキとした。 そして、彼の指示通りに素直に動く。 潤滑油になる物はないかと訊かれ、マッサージ用のボディオイルを取り出した。 蓋を開けるとアーモンドブロッサムの甘い香りが漂い、妙に罪悪感を抱かせる。これをこういった事に使うのは初めてだからだ。 それを手のひらに出すと、そのまま後孔を濡らすように言われた。 今度はこっちに触れるのか…緊張しながらゆっくりとオイルを伸ばし、周辺を揉み込む。 《はあ、ちゃんと濡らしたかな?まだお尻の穴には触っちゃダメだよ?いきなり触れたら傷付いてしまうかもしれない。ずっと触れてないからね、ゆっくり慣らさなきゃね》 「あきらくん、あの、ここに自分でさわるんですか?」 《うん。桜はそこ、触ったことあるだろ?》 「はじ、めて……」 《ほんとに?》 アキラの驚いたような声が聞こえた。 本当だ。その周辺に触れるのだって初めてだ。いや、以前鷹臣によく見えるよう広げろと命令され、自ら媚肉に触れて後孔を曝したことはあるが、自慰行為で触ったことはない。 中に指を挿れたことだってないし、自慰行為はノーマルに陰茎を扱くだけで済ませてきていた。 だから初めてだと覚束無い口調で伝えると、息を呑む音がして、次に少し呼吸が乱れたような声が聞こえた。 《はあ、そうなんだ。初めて。…初めてそこにさわるんだね。はあ。それなら、ちゃんと気持ち良くなるように俺がしっかり教えてあげる。桜の好きな所とか、きゅうきゅうして気持ちいい中の感触とか、全部教えてあげるからね。桜は俺の言う通りにすればいいんだよ…》 「ひぁ、あ…はい…」 アキラの息が少し荒い。もしかしたら、彼も気持ち良くなっているのかもしれない。電話の向こうで、下半身を出して触っているのかも… 一緒にいやらしいことをしてくれているようで、桜介はそんなアキラの姿を想像し、頬を赤らめた。 《久しぶりだからキツいと思うんだ。だから、入口のところをゆっくり撫でようか。挿れなくていいよ、撫でるだけ。解す感じだね》 「はい…ぁんっ」 −くち… 小さな粘着いた音を立ててそこに指を這わす。初めて触った後孔は、思ったより柔らかく、ふにふにとしている。 「ぁ、んん、んっ」 言われたとおりに撫でてみた。右手の中指一本で擽ると、媚肉がきゅっと引き込むように締まる。 「ぁ、やぁ、やだぁ…あんっ、あっ、あっ」 《どう?硬いかな?桜の穴はちっちゃいからね…少しずつ解さないとね…ん、》 「あん、ん、きゅうきゅう、しちゃ…勝手に、なんか…」 柔らかさを確かめるように、少し左右に揺らしてみると、更に引き込み、指をちゅうちゅうと吸っているみたいだ。 躰が、奥の方へと刺激を求めている。 《勝手に、なに?》 「ぁ、ゆびを、おしりがぁ…あ、いやっ、やぁ…」 《桜、ちゃんと言わなきゃだめって言ったよね?》 「ごめんなさ…あ、でも、はずかし…ん、ぁん」 その奥の方が疼いているせいで、まだ入り口しか触れていないのに、これでもかと桜介を気持ち良くする。まるで浅ましい淫乱な躰みたいで恥ずかしい。 下半身が奮え、膝も跳ねてしまう。 嗚呼どうしよう、このまま玄関を開けられては、全裸で後孔を愛撫している姿が丸見えだ。そう思うだけで、更にきゅんと締まった。 |