俺様シリーズ | ナノ


 


 02. oneday/4月14日



『名前はAランチにしたんや。美味い?』

「うん、美味しいよ」


食堂の席も、他には空いてないってことでアタシは白石君の横でお食事。
おとなしく観念した。
食いっぱぐれるなんて嫌だし。


『確かにうまそうやもんな。俺も名前と同じのにしとけば良かったわー』

「別にいいじゃない、Bランチだって美味しそうだよ」

『ほな、交換、する?』

「え、」

『間接キスになるけどな』

「なっ……!!」


本当なに言いだすのこの人は!
間接キスなんて、無理無理無理ー!
純情ぶってるわけじゃないけど、そんなの無理に決まってる!
アタシは恥ずかしくって言葉を失ってしまった。


「…………」

『どうしたん?』

「、別に」

『もしかして意識してしもた?』

「!?」


白石君の顔を見ると、ニヤニヤしてて。
あんなこと言っておいて余裕綽々な感じがまたあり得ない!


『そんな真っ赤になってー!ホンマ名前は可愛えなぁ』

「そっ、そうゆうこと言わないで!」

『可愛え可愛え、名前は可愛えー』

「お願い、だから止めて、」

『クックックッ』


ご飯を口に運びながら白石君は笑ってた。
こんなこと言わずに黙ってたら、本当格好良いのに。


『あ、白石ー!』

『ん?謙也、なんや?』


後ろから白石君に声をかけてきたのは同じクラスの忍足君。
彼も白石君と同様、モテモテな人だ。なんか魅力的でモテるのも頷ける。


『別に用はないで』

『じゃああっち行けや』

『うわー男には冷たいねんな!名字さんには甘甘やのに』

『当たり前や、俺の優しさは名前の為に存在してんねん』


どれだけ恥ずかしい会話してるのよ!
ほら、忍足君だって引いてるじゃない!


『名字さん、白石には気を付けてな』

「う、うん?」

『謙也お前何言うてんねん!』

『コイツ下心丸出しやねんで、警戒しとかなアカン』

「、そうだね」

『名前も肯定せんで!否定するとこやで!』

『白石になんかされたらいつでも俺に言うてきてな、シバいたるから』

「プッ!アハハ、了解頼りにしてるー」


忍足君との会話が面白くて思わず吹き出して笑ってしまった。
必死に突っ込む白石君も面白いし、笑わずにはいられなくて。
そしたら、


『名前、』


急に低いトーンで名前を呼ばれて白石君の手が伸びた。


他の男を見てんなや、と視界を奪われ何も見えない

(貴方の大きな手で覆われたアタシの顔)
(きっとまた赤くなってる)
(熱が冷めるまではそのままにしておいて)


(2009)


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