俺様シリーズ | ナノ


 


 04. oneday/4月14日



アタシの脳内、
丸井ブン太100パーセント。
走りだした気持ちは無限大ってやつ。


「おはよーございまーす!」


昨日と打って変わって元気良く出勤。
この3日は憂鬱で嫌でたまらなかったバイトなのに今日はすっごく楽しみだった。
アイツに、会えるから。


『おはよう名前ちゃん』

「叔父さんおはよう」


更衣室に居たのは叔父さんだった。
いつも丸井ブン太が居たのに。


『ご機嫌だねー。後2日だけど宜しくね』

「、はい」


そうだ。
期間限定、たった5日のバイトだったんだ。
後2日しかアイツに会えないんだ…
なんか言われたくなかったな…


『はよございまーす』

『あ、丸井君おはよう』


アタシが制服に着替えたところで丸井ブン太はやってきた。
今日はテニスバッグ持ってない。
今日もテニスだったら見に行けたのに。バイト終わってからも会えたのに残念…


『なぁ、お前テニスしたことねぇの?』

「テニスは無いなぁ」


客が居なくて暇になって途端、アイツは口を開いた。
アイツが口を開く度に構えてたアタシだけど。今は、話し掛けてくれて嬉しいって思ってる。
恋の力って凄い。


『昨日見て、どうだった?』

「え?」

『…見てるだけでも面白いだろぃ?』

「うん、初めて見たけど面白い。楽しそうだなって、」

『だよな!!』


ヤバイ、その顔止めて!
相槌した途端アイツの顔は超笑顔。パアァって効果音ついちゃうぐらいに。
そんな顔されたら、アタシ、
心臓壊れちゃうよ…


『今度、お前もやる?テニス』

「へ!?いいの?」

『テニス好きな奴増えたら嬉しいじゃん』

「う、うん!」


やった!まさか誘ってもらえるなんて!
社交辞令ってやつかもしれないけどそれでも嬉しい!
それに、


『それにバイトで会うだけじゃ足りないんだろぃ?』

「そうそう!足りないのよね!」

『………』


………って、えええ!?
アタシ今頷いちゃった!?
だって同じこと頭に浮かんだからつい…
何これ、告白みたいじゃない!どうしよう!嫌ーーーーー!!!


『ブッ!お前なぁー』

「いや、そのっ、えっと、」


俺って愛されてんだな



(思わず言っちゃった)
(でもそんなはにかんだ顔されたら)
(俺様な態度でも素直にならの悪くないかなって)


(2009)


prevnext



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -