02.
(謙也好き。光もスキだけど)
昨日の夜、送られて来たメールがどれだけ破壊力あったやろう。最後要らん言葉が付いてたのはさておき、彼氏という特別な位置それだけで暖かいお湯に浸かってるみたいで逆上せそうやった。
今日君と冬を迎える
season.2 思案投げ首
幾ら財前ん家で待ち合わせや言うても、財前も一緒にマクド行って学校行く言うても、昨日までとは違う情感が俺を取り纏ってた。
彼氏に昇格しても変に片想いしとる気分はあるし、いつまで経っても三角関係なままなんやろうけど確実に、##NAME1##からの愛情を素直に受け止める自分が居てた。
そ、そんなん言われへんけどな。
「##NAME1##は来てるみたいやけど」
まだ家の外には誰も居てへんくて、丁度良く郵便物を取りに出て来た財前のオカン…、お母さんが『どうそ』と招いてくれた。玄関には女モノの見覚えあるローファーがあったし俺のか、か、彼女は来てるらしい。(敢えて言うてみたけど照れ臭いわ!)
それにしても前から思っててんけど財前とお母さん、似てへんな。顔は似とるけど性格全然ちゃうと思う。
「財前、入るで―――――」
ノックっちゅう言葉なんや忘れて部屋のドアを開けると、そこで繰り広げられた情景に俺は凍り付く気がした。
ベッドで寝てる財前に跨った##NAME1##、それは男と女の世界みたいで見たらあかんもんを眼にしてしもた、そんな感じ。
『あ、謙也おはよ』
ヘラッとこっちに向けて笑ってくれた##NAME1##におはようを返すことなんや出来ひんくて、俺の心を表す様に肩に掛けた鞄がドンッと大きな音を立てて落ちる。
謙也、落ち着くんや。##NAME1##はきっといつまでも起きへん財前の眼を覚ます為に財前に乗った…ちゃうちゃう!財前を起こしてんねん。そんな卑猥な意味がある訳ないし、財前から##NAME1##を上に乗せ…ちゃちゃちゃちゃちゃうねん!!とにかくちゃう!
「ざ、財前お前……!」
『##NAME1##、そない俺とイキたいん?』
『うん!行きたい!』
『さっさとシて欲しい?』
『(支度)して欲しい!』
せやけど俺を映した財前は口角を上げて生意気に笑うからめちゃくちゃ嫌な予感して、悪寒も走って、それは間違いないみたく財前の腕は##NAME1##を引き寄せる。
『お願い、が聞こえへん』
『光!!おねが「そそそそんなんあっっかーーーんん!!!」』
ほほんま!さっきから何言うてんねん!
厭らしいことしか頭に無いとか最低や!人の彼女に向かって阿呆ばっか言うてあり得へんねん、最低やねん、セクハラやっちゅーねん…!!!
ほわほわピンク色の世界が巡ってくる脳内をかき消そうとした俺やけど、
『あれ、謙也先輩?』
「、」
『早よマクド行く支度する言うてるだけやのに顔赤いですわ、何や変な妄想でもしてたんです?』
「っ!」
『変な妄想?』
「な、何でも無い!!」
全部、財前の嫌がらせやったっちゅう訳で。キョトンと眼を真ん丸くした##NAME1##を見たら自分も酷く最低なんちゃうかなって思わされた。
まんまと一本喰わせたった、そんな財前からはこれからもやっぱりひん曲がった三角の関係が続くんやと宣誓されてる気さえした。
あー、末恐ろしいわ…!
(20091221)
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