幸せになろうよ | ナノ
『おかえり、アベルト』
「ああ、ただいま」
『ありがと、アベルト』
「……解決したのか?」
『うん、解決した』


そりゃーよかったーとアベルトはどこかよそよそしい。


『どうしたの、アベルト』
「ん、いや別に」
『あ、そういえば、今日はアベルトっぽくなかったね、キタロウと喧嘩するなんて』
「……」


どうやらそれを聞かれるのがいやだったらしい。しばらく話すのをしぶっていたが、しかしついに折れた。


あいつ響友だろ、日中、俺よりもあいつの方がお前と一緒にいることの方が多いんだ、やかないわけないだろ。しかも、あいつの手を借りなけりゃ解決できないなんて、腹だってたつだろう。まあお前にはわからないだろうけどな。


「あーくそ、俺の周りにはどうして召喚師しかいないんだ。響友響友響友、」


そこまで言ってから、冷蔵庫からビールを取り出して一気飲み。


『あー、アベルト、もしかしてフォルスのことも言ってるでしょ、ペリエとフォルスべったりだもんね、』
「ああそうだ、悪いか」
『うわー、もう酔い始めた。疲れてるのに一気飲みす―――』


急に唇を奪われた。不意打ちすぎて何も抵抗できぬままベッドに押し倒される。


『アベルト、』
「だめか?」


そういえば帰ってきてからまだ一緒に寝ていない。ずっと気を使ってくれていたのだろう。ごめんね、アベルト。泣きつくだけ泣きついて、何もしてあげられなかった。


返事の変わりにキスをすれば、あとはもうアベルトが進めてくれる。


『ん、』
「久々だからな、もっとないていいぞ、」
『ばか、変態』
「なんとでも言えよ」
『ばかばかばかばか』


優しく触る彼の手が、程よい優しさで心地よかった。




君らしくないね、



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