(可愛い)
彼女――‐リズは寝ていた
(細いなぁ)
すやすやと一定のリズムで上下する身体
ベルトルトはソファーで眠りにつく彼女をじっと見つめる
(小さな唇)
柔らかそうなそれからいつも自分の名前が呼ばれるのだ。
(愛しい)
何もかも自分より小さいのだ。彼女は。
歳もそうかわらないのに。
(僕が大きいってのもあるか)
誰よりも目立つ身長。いつだったかリズは笑顔でベルトルトだけは見つけられる!と言った。
起きないかドキドキしながら髪に触れる
さらりと細い毛が指を通った
(食べてしまいたい)
2つの意味で。
痛いと泣き叫ぶだろうか
困惑した顔をするだろうか
またその鈴の音のような声で僕の名前を呼ぶだろうか
考えれば考えるほど口の端が上がった
「リズは美味しそうだ」
「―‐ん」
「あ、ごめんね」
ゆっくりと目が開いた
ブルーの瞳が揺れている
「ベル、トルト?」
「うん」
「私、寝てた?」
「うん。ぐっすり」
「恥ずかしい」
寝顔見られたーと言いながらソファーに顔をぐりぐりしている
「まだ眠いの?」
「んー」
わざと頭を撫でてやる。
すると気持ち良さそうに目を細めるのだ
「だめ、ベルトルトの手気持ちいいから、また寝ちゃうよ」
「いいよ、別に。その代わり食べちゃうからね」
「えー、巨人じゃないんだから」
「他のやつに食べられるくらいなら僕が食べてあげる」
リズの指を取りハムハムと噛むふりをする
「ふふ、ずいぶん可愛い食べ方する巨人だね」
「リズはきっと美味しいと思う」
「やだー」
「大丈夫、僕が責任を持って食べてあげるから」
食べちゃうぞ
(ベルトルト、今日変。眠気覚めちゃったよ)
(ねぇ、絶対他の人に食べられちゃダメだよ?)
(食べられる前に削いでやるわよ)

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