夢を見てた気がする、気のせいかな…


あれから数十分たったけれど
私は何も思い出せなかった。




テーブルに置いてある鏡を手に取り自分を見る。

背中まで伸びた青い髪、オッドアイ、左目の下にある星型のタトゥー。
自身であるその体を見てもなお記憶は空のままだった。


ただ一つ分かった事は、
星型のタトゥーに見覚えがあった事。

それは、ソファに寝ている彼の左肩にも有るものだった。



起こしてみようかな…
いや、失礼だよね…どうしよう…








「起きたんだ、」


「!」

気づかないうちにドアが開いていて、
一人の男性が壁にもたれる形で立っていた。


ごげ茶色のストレートな髪に黒のカチューシャを付けていて、アクセサリーもいくつか見える。
何より整った綺麗な顔をしていた。
見た目は18か19歳くらい…。
よく見ると男性の左肩にもタトゥーがある。


「あなたは…誰?」


「俺はオーディン。」


「オーディン、私…記憶がないんだ、何も思い出せなくて…」


オーディンは少し驚いた表情を見せると
私がこの部屋に来るまでの話をしてくれた。
「君ね、6時間くらい前に俺んちの近くで倒れてたんだ。そこの彼と一緒に」


オーディンが指さした先にはソファで寝ている彼がいる。

「えっ…、」

彼は私の知り合いなんだろうか…




「最近物騒な事件が起きてるからさ、一応俺の家に連れてきたんだ」


「物騒な事件…?」




"連続殺人"オーディンがそう口にした時、ソファに寝ている彼の陰が動いた。

「んーっ…」



それを見たオーディンは少し安心した口調で
「彼も起きたみたいだな、」
と言った。

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