2.







くすくす笑いながら涙を拭いてあげてる私に、

死神さんはぽかーんと口を開けたままなすがままになってた。




私はそんな死神さんにまた笑って、


しょーがないから答えを言ってあげようと思った。






「確かに始めはね、
……すごくショックだったし、
死神さんの事もすごく責めたかった。


でも私って、よくよく考えてみれば、
そんなに死んで損〜とか思えなかったしね。

私の死を聞いて、悲しんでくれるのなんて・・・
何人いるか…。


いっそ死んだ父さん母さんの下に行けるほうが
幸せなのかなって考えた時もあるし・・・・。」





初めは、そんな考えだった。

死んでから思った事。


私って、人生に興味が薄かったのかなって事・・・。



死んだってなっても、
あ、そう。って思った。



本気で泣いてくれるのは、
真衣たち一家ぐらいだろうなって……。






転生出来るんだったら、
また父さん母さんと、真衣たちの近くがいいな……

そう感じてたくらい。






「マイナスな考えだったけど、
……私の一生を見たのなら、
分かるでしょ?


私を商品てして、
母さんの跡を継がせたがってる汚い大人とか、

父さんや母さんのファンが、
二人の死を私のせいと非難してることとか・・・

父さんのおじいちゃんおばあちゃんが、
私を憎んでることとか……。」







私のマイナスな発言に、

私の一生を見たせいで、事情が解ってしまう
死神さんの顔が、また暗くなっちゃった。






「マイナス思考は嫌いなの。
だから表には出さなかったつもりだけど、
やっぱり色々心の中では考えちゃうわけっ」




後ろ向きは嫌い。
泣き虫は嫌い。






そう言ってないと、

私がそうなっちゃいそうで、


・・・・怖かった。





私が、……生きようと、
頑張ろうと思えたのは、



・・・全部真衣のおかげ。





いつでも味方だったから。
いつでも私の側に居て、支えてくれたから。


いつでも、……嘘のない笑顔をくれたから・・・。








「……私、真衣の替わりに死んだんだっていうなら、
悔いなんて一切ないわ。

真衣に恩返し出来たんだもん。

真衣には辛い思いをさせたかもしれないけど・・・、


でも、それでも・・・
きっと、死ぬのが一番辛いことだから………。

それよりはマシだと思うもの。」









後悔はないし、
真衣がいない世界に取り残されることを考えたら

間違えてくれたことを感謝しちゃう。





そう言い切った私に、
死神さんはなんか考え込み出した。





自分は人に話を聞けっていうくせに、

人の話は聞かないのかよ〜。




と、ちょっと拗ねてると、
死神さんは真顔をこちらに向けてくる。







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