1.
死神さんの話を、
うそだと言いたかった。
でも、多分本当なんだろう…
そう思える確証もあった・・・。
「…あの事故で、二人ともがひかれました。
ですが・・・真衣さんを庇った君のほいが重傷を負い、
見かけた人が呼んだ救急車も間に合わず、……死んだ。
君…黒木麻夜さんの最後は、
そうして終わったように、…僕が作りました。」
へぇ〜…、……そっか・・・・。
真衣を突き飛ばしたすぐにひかれて、
すごく痛くて、
何も見えない中で、
真衣が私の名前を何回も呼んでる声だけが聞こえた。
周りがざわざわし出して、
声も聞こえなくなったなって思ったら、
急に痛くなくなって、
ああ、もう死んだのかなぁって薄々思ってたら、
白い空間が現れて、
目が見えるようになったら、
死神さんが目の前で土下座してた。
「死んだ瞬間に、
僕たちはその魂の一生を分析し、
次に生まれ変われるまでの過ごし方をデータに移します。
すぐ転生出来る人は出来ますし、
前世で魂の穢れてしまった人は、
まずはその穢れを落とさなければなりませんから。」
「……そこで別人だって気付いたんだ・・・。」
「……はい、情けない話ですが、・・・その通りです…。」
俯いて落ち込む、
…てか申し訳なさそうに自分を責めてる死神さん。
……早く名前を教えて貰わないと、死神さんが定着しそう。
益々落ち込んでる死神さんには悪いけど、
死んだときの事聞かされた私は、
逆に元気になっちゃった。
「……死神さん、もうそんな落ち込まないでよっ」
なんで逆に私が励ましてるんだろう……。
「・・・う、だって…、
状況を話したら益々申し訳なさが溢れてきて・・・っ」
ああ〜、もう!
涙もろいなあ。
私、すぐ泣く男は嫌いなんだけどっ!
「取りあえず、泣かないでよ。
私が責めてるみたいじゃない、
許してるのにさ。」
そう言うと、
死神さんはぽけ〜とした顔をして、
「・・・なんで、…君はそんな簡単に許してくれたんだ・・・?
殺されたも一緒なのに……。」
私は、今更だな〜と思いながら、
死神さんの涙を拭いてあげた。
→
- 13 -
[*前] | [次#]