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「雪子殿、おーさまげぇむとは何ござるか?」

『ぶはっ!!!!』



純粋な瞳で真田くんが問うから、私は飲んでいたジュースを思いきり吹き出した




『ごほ、げほっ…政宗さぁぁんっ!!!真田くんになに教えたんですかっ!!?』

「Ah?オレじゃねぇよ、何だそのGameは」

『じゃあ大谷さんですかっ!!?』

「何故にわれよ。てれびで見たのであろう?」

「うむ、ごうこんという集会でやるとか」

『あ゛ぁぁ…!』



まさか真田くんが王様ゲームを知るなんて。合コンをはじめとした飲み会の場。それを盛り上げる“王様ゲーム”

見てよ、真田くんと政宗さんがやってみたいな〜ってキラキラした目で見てるじゃない



『…やってもいいけど政宗さんは片倉さん、真田くんは元就さんから許可をとってきて』

「毛利殿の許可を?」

『どう転んでも彼らに叱られそうな気がする…て、あ゛』



私が言い切る前に二人は各々で走り去ってしまった



『…大谷さんは三成のお世話ですよ?』

「はて…われは非常に不安よ」

『もう遅いです、割り箸持ってきます』







『…で、この数字と赤印がついた割り箸を一本ずつ引きます。赤印が王様ね』

「王様の命令は絶対なわけか」

「はーい!姫さんからの接吻はアリ?」

『罰ゲームは番号で指名してください。やってみたら分かりますよ』



この家に居る武将たちと私。総勢10名が輪になって座り、今から行うのは王様ゲーム!

みんなが見えないように割り箸を選び取り、ドキドキした面持ちで合言葉を待つ…元就さんや片倉さんも意外とノリノリです



『回りましたね?自分の番号を確認したら、みんなで“王様だ〜れだ”って言います。そしたら王様は名乗り出てください』

「ずいぶん面倒な…」

『ノリですよ大谷さん。じゃあいきます!せーのっ』

「「「『王様だ〜れだっ』」」」

『はいっ!!』




…最初は私である

まぁ、みんなまだルールが理解できてないからね。王様ゲームの恐ろしさを知るがいい



『はじめは軽めのでいきましょうか。三番と六番が手を繋いで部屋を一周!』

「…………は?」
「…………は?」

『へ?』





真っ先に間抜けな声をあげたのは…三成と政宗さんだった

なんという最悪の組み合わせ…!



「雪子っ!!テメェ、政宗様になんてことさせるんだっ!!!」

『わざとじゃないです偶然ですっ!!しかも軽めな罰ゲームですよっ!?』

「ヒ、ヒヒヒッ!!どうした三成、雪子の命令よ」

「早くしろ。げぇむにならぬではないか」

「・・・・」



まさしく放心状態、だろうか。割り箸を握って固まる二人を急かすのは大谷さんと元就さんである、いじめっ子め

しかし三成は別として政宗さんは責任もってやり遂げて欲しい。言い出しっぺなんだから



「…………」

「…石田、なんだその手は」

「〜〜っ!雪子様の、め、命令でなければ、貴様なんぞに…!!」

「泣くほど嫌か!!?オレだってテメェなんかと−…!!」

「政宗殿、後がつかえておる」

「・・・・・」




…こういう時の真田くんの無垢な目は、確信犯だと思うのです





「…………」

「…………」

『お、お疲れ様でした〜』

「政宗様っ!!ご無事ですかっ!!?」

「三成、これぞ忠義よ!ようやった」

「ふん…さっさと箸を戻せ。次ぞ」



…前途多難です

真っ青な顔で部屋を一周した二人。命令した私が土下座で謝っても足りないくらいだ

逆にイキイキしだした大谷さんと元就さんには、王様クジを絶対に引かせたくない



『…次にいきましょうか』

「俺様、遠慮したいんですけど」

『逃げないでください!みんな引きましたね…?せーのっ』

「「「『王様だ〜れだっ』」」」

「オレだっ!!!」




次に王様を引いたのは、先ほどまで死んだような顔をしていた政宗さんだった

赤いクジを掲げながら声を張り上げる。どうやらさっきの憂さ晴らしをするつもりらしい。子供っぽいな政宗さん



「そうだな…あの時計の針が一周するまでHug、抱き合ってもらおうじゃねぇか!」

『一分ですかっ!?長っ!!』

「しかも野郎同士とか勘弁してよ…」

「Kingの命令は絶対なんだろ?番号は…二番と八番!」

「げっ!?俺が八番だ…」

「長曾我部か、あと一人は…」

『あ、私だ』

「…………は?」







『元親ってば肩幅広っ!胸板厚っ!』

「ははっ!雪子がちいせぇのもあるだろ」

『小さくて悪かったね…でも安心感すごい、さすが兄貴代理』

「そりゃ嬉しい誉め言葉だっ」



「ちょっと独眼竜、姫さんになにさせちゃってるわけ?」

「貴様ぁぁぁ!!もしやさっきの罰の腹いせに雪子様を…!」

「んなわけねぇだろっ!!誰が好んで雪子と他の野郎を抱き合わせるかっ!!」



どうやら政宗さんをみんなで取り囲んでるみたいだけど、その様子は詳しく分からない

だって私は元親とハグ真っ最中だから。元親は体格が大きくて、私なんかその腕にスッポリ収まってしまう…ちょっと兄さんを思い出した



「刻限よ!離れぬかっ!!」

『いたたたたっ!!?髪引っ張るのは無しですっ!!』

「…………」



秒針が一周した瞬間に元就さんが私を、小太郎くんが元親を掴んで引き剥がす

小太郎くん、元親を蹴飛ばしちゃダメだよ



「くそっ!こんな当たりクジもあるのか王様げぇむ…!」

「腹の探りあいか…番号は慎重に選ばねばなぁ」

『大谷さん、本気にならないでください』






→続く


mae tugi

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