You Copy?



 

『うわぁっ!!?み、三成…?』

「っ…雪子様…!」



家に帰ると玄関で、カボチャを抱えた三成が半泣きで立っていました

え、そのカボチャめちゃくちゃでかいな、じゃなくて…!




『ど、どどどうしたの三成!』

「は、半兵衛さまが、これを…」

『タケちゃんっ!!!?』



なんでも私の留守中にタケちゃんがやって来たようで。いつもは居留守を使うけど、偶然にも玄関で鉢合わせしてしまったらしい

…で、タケちゃんは三成が私の彼氏だと勘違いしてるわけだから。きっと彼の毒舌嫌味の餌食になったんだ


三成は竹中半兵衛さんを敬愛してる。彼にそっくりなタケちゃんに言葉の暴力受けたなら…泣きたくなるよね、そりゃ



『よしよし、可哀想に。タケちゃんは私がシバいとくよ』

「い、え…きっと私が知らぬ間に粗相を…!」

『なんて健気なの三成…!それにしてもカボチャをまるごと持ってくるとか』

「あと6つほどあります」

『えぇ−…』



新手のイジメか。そう言えば兄さんが生きてた頃のハロウィンは、地獄絵図だったな…彼の悪戯は悪戯じゃなかった

前田と一緒に泣きながらお菓子を用意した記憶がある



「雪子様。もう1つ、半兵衛さまから袋をお預かりしています」

『え、次は何?』

「恐らく着物かと。布のようですが」

『・・・・・』



タケちゃん、ハロウィン、洋服…この条件が揃ったとなれば、答えは1つだろう






『………やっぱりか』

「こ、これは、下着、でしょうか…?」

『いや、コスプレ衣装だよ三成』



部屋に入って中身を並べてみれば、やはりそれはコスプレ衣装だった

赤の裏地の黒マント。おへそは隠す気が無いであろう上着と超ミニなスカート…ピチピチである

そして赤のカラコンとわざとらしい八重歯。これは…吸血鬼セット、か



『…三成、ちょっと元就さん呼んできて』

「?」

『灰になるまで焼き焦がす』

「は、半兵衛さまからの頂き物ですが…!」

『タケちゃんの趣味に付き合うつもりないよ!』



バカか、あいつはバカか!私が着る前提で持ってきて…しかも彼氏(だと勘違いしてる)の三成に渡すとか!



『…どうせサイズもピッタリなのよ。明日、タケちゃんとこ返品してくる』

「そ、う…ですか」

『まったく…網タイツな吸血鬼がどこにいるんだか。あの変態め』

「っ……は、はい…」

『……三成?』

「…………」



じっと衣装を見つめては、バッと視線を反らし首を振る。なんか顔が真っ赤だよ三成


…………。



『…ねぇ、三成』

「っ………」

『ちょっと…着てあげようか?』








『…どう、かな…?』

「〜〜っ!!!!」

『あ、はは…』




…着てしまった

きっとタケちゃんはこれが狙いだったんだ。三成が着て欲しそうな顔してたら…断れるわけないじゃないか

やはりピッタリな衣装はギリギリのラインを晒している。タイツは肉付きが良い方がエロイと言うが、はいている方はたまったもんじゃない



『は、腹の肉が心配なんだけど…』

「あ、の…雪子様…!」

『…………』

「お、お似合いだと…思います…!」

『…ありがと』



褒められて悪い気はしない。けど、三成の方が似合うと思うんだ吸血鬼

色白なところとか眼光鋭いとことか。吸血鬼な三成を想像したらちょっとやる気が出てきた気がする



『よし、三成!Trick or Treat!』

「と、り…?」

『甘味くれなきゃ悪戯しちゃうよ!血、吸っちゃうからねっ』

「〜〜っ!!!!」



ズイッと三成に迫り、彼の首筋を撫でてやる

それにビクリと体を震わせた三成、真っ赤な顔で口をパクパク開閉させている。ちょっと意地悪がすぎたかな



『あ、本気にしないでね。むしろお菓子は三成にあげるから…』

「………せ…」

『ん?』

「っ…雪子様からの折檻ならば、謹んでお受けします…!」

『・・・・・』




硬直する私と正座で待ち受ける三成

そんな私たちを、タケちゃんのカボチャだけが見ていた





20121031
ハッピーハロウィン!

ハロウィン〜伊達主従編〜のアナザーみたいな話。うちの三成はこんなのです

 


mae tugi

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -