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「雪子、何をしておる」

『あ、大谷さん…今日はなんだか日差しが暖かくて』

「日差し、か…」

『ふふっ、大谷さんもご一緒しませんか?隣どうぞ』

「……では邪魔するとしよう」










「…これは何の光景ぞ」

『元就さん…』

「ヒヒッ…毛利よ見てわからぬか、日向ぼっこよ」




庭を眺めながら小さな縁側にて。綺麗に正座する大谷さんの隣で、ごろんと横になっていた私

それを見つけた元就さんが「昼間っからごろごろすんなよ」と言わんばかりの顔でやって来た




『大谷さんと日向ぼっこです』

「…起きぬか馬鹿者め」

『日輪の加護を全身で受けてます』

「屁理屈を言うな」

『いたっ』



普段の半分の威力の元就さんチョップを受けた私。隣の大谷さんはクツクツと小さく笑っている

ただ、いつもより何倍もスローな私につられたのか。彼もゆっくりと縁側に腰かけた




「…………」

『あ−…眠くなりますね。ご飯も食べたから昼寝には準備万端です』

「今眠れば夜に寝られなくなるであろう」

『うわ、どこまで私の母親なんですか元就さん』

「・・・・」

『ひぃっ!!?』

「毛利…よかろう、雪子も毎日の勉学で疲れておる。昼も夜もぐっすりよ」

『ん……ふふっ』



寝転び散らばった私の髪を、手ぐしですくように撫でる大谷さん

髪で遊ぶようなそれが気持ちよくて、私は小さく笑いながら包帯に包まれた手のひらへ擦り寄った


そんな私を、目を細めて見つめる




「雪子は…猫のような女子よなぁ」

『猫、ですか?そんなに媚びてますかね…』

「そうは言うておらぬ。人懐っこく擦り寄る様を言うておるのよ」

「ふん…警戒心が薄すぎるだけぞ」

『そうですか…でもそうじゃなきゃ、武将を九人も家に置いてませんよ』



私が笑ってそう答えれば大谷さんは肩をすくめ、元就さんは呆れたように眉をひそめる

大丈夫ですよ。みんな優しい人で…みんな良い武将ですから



『皆さんは、絶対にもとの時代に戻れます…私が戻しますから…』

「…………」

『でも、もう少しだけ…一緒に居てくださいね…』




もっと思い出作って…もっともっと一緒に過ごして。私が皆さんを忘れられないくらい


そしたら私も、もう寂しくないから

そんな事を思っていたら、ツンと鼻の奥が痛くなった




「……だから貴様は阿呆よ」

『ん?……って、きゃあっ!!?ちょ、元就さんっ!?』



突然、大谷さんが撫で揃えてくれた髪をぐしゃぐしゃに掻き乱す元就さん!

私は寝転がってるからいつも以上に無抵抗。乱雑になった髪を見て彼は満足そうに鼻で笑った



『何するんですか…』

「ふんっ…寝転がる貴様が悪い。もう起きよ」

「可哀想になぁ…雪子、毛利はぬしが可愛いからいじめておるだけよ」

「…………」

『え、じゃあ隣からの射殺す視線は何すか。可愛さ余ってにしては痛すぎますよ』

「ヒヒッ…」



元就さんが乱した髪を大谷さんが揃え、さらにそれを元就さんが乱し、またそれを…

こんな事を繰り返してたら、昼寝もできないじゃないですか。二人が楽しそうだから文句も言えないし



『…………』

「やれ雪子、せっかくの日向ぼっこもそのような顔ではつまらぬぞ」

「きちんと起きて日輪に敬意を払わぬか阿呆め」

『……はーい』

「返事は短くせよ」

『……はい』



モソモソと起き上がった私。それに満足したのか今度はちゃんと髪を揃えてくれる元就さん

大谷さんはそれを見て笑っていた






1006.
キリ番リクエストより
大谷・毛利とのんびり日向ぼっこ
55555/蝶々様

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mae tugi

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