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『今日はこれからの生活に必要なもの…特に食材を買いにいきます。ちなみに猿飛さん、政宗さん、片倉さん、小太郎くんはお留守番です』

「えぇっ!!?」

「…どういうことだ?」

「………(哀)」



朝食後、各々がくつろいでいる中。私は今日の予定をみんなに説明した

するとやはり予想していたが、留守番を言い渡された猿飛さんたちから不満の声があがる。小太郎くんも哀と書かれたカードをかざしていた



「貴様ら!雪子様の命令が聞けぬか!」

「いいじゃねぇか。留守番くらいできるだろ?」

「…自分らが買い出し組だからって調子のっちゃって」

『あ−…これから説明します』



これでも私は女子大生である。しかも卒業を控えた

元親と元就さんが落ちてきたのは金曜日の夕方であり、今までは私がつきっきりで対応できたわけだ

しかし…明日は恐怖の月曜日



『…つまり、明日から私は昼間いません。そこで皆さんには買い出しの間に、台所と洗濯関連もろもろを理解してもらいたいの』

「なるほどな。オレは雪子と昨日、料理したからだいたい解ってる。小十郎もすぐ覚えられるだろ」

「善処いたします」

『小太郎くんは電化製品…カラクリを朝、すべて理解できてるから。教えてあげてね』

「…………」

「……えぇー…」

「佐助!雪子殿を困らせるでないっ!!佐助ならできる!諦めるなっ!!」

「…なんか大将の言葉は納得できないけど、了解」

『お願いしますね』

「雪子、またあの“でぱーと”とやらへ行くのか?」

『いえ、今日はスーパーに…あ゛、車椅子はないかもしれません』

「ならば、われは留守番組に入るとしよう」

「…刑部、お前を伊達や忍と共に置いていくわけにはいかん」

「あは、信用ないねアンタたち」

「猿、テメェもだ」



今回は大谷さんも参加できない…彼の言うように留守番組に回ってもらおう。しかし彼を心配して三成はそれを認められない様子…1日2日じゃ信頼関係は結べない、か



「われの守りに毛利を残せばよかろう」

「…何故、貴様の世話などせねばならぬ」

「なに、話に付き合ってくれればよい。どうせ空は雨模様、日輪も拝めぬ故」

「…………」



窓から外を確認した元就さんは、空の様子に顔をしかめた…はい、本降りです。少し考えてから所定の座椅子に引き返したから、きっと留守番組に回るんだ

…じゃあ今日の外出は元親、真田くん、三成の三人と一緒



『じゃあ行ってきますね皆さん』

「大将ー、道に飛び出しちゃダメだからねー」

「心得たっ!!!」

「本当かよ真田…」

「貴様ら!雪子様に面倒をかけるでないぞっ」









「…大谷、我を残した訳を話せ」

「…………ヒヒッ」

「Ah?」



雪子も出てオレらが台所へ向かおうとすれば、毛利が意味深なことを口にする。大谷も…渇いた笑い声をだした



「なに、三成と真田が居っては騒がしいのでなぁ…長曾我部が行けば事足りる」

「…なんか悪巧み?姫さんが居ない留守に妙なまねはしないでよね」

「…………」

「睨むでない忍よ…ぬしは今朝、こちらに落ちたのであろう?」



ゆったりと大谷の指が風魔に向けられた。相変わらず返事も何もないが、奴は目を細め笑う



「各地の将が消えた、と噂は無かったか?北条の風魔一族であれば、情報の出入りも多かろう。西海の鬼が、安芸の知将が、西軍の大将が…消えたとは知らなんだが」

「…………」




答えはNo、風魔は首を横に振った。オレらが消えたという情報は流れていない

いや…




「こっちに落ちる時期は違っても…俺らが消えたのは同じ頃ってこと?」

「まだ結論は出せぬ。だが難儀よなぁ…人の仕業ではないわ」

「我らを揃って消したとして、利のある者などそう居らぬ。ましてや、そのような力を持つものなど…」

「…雪子じゃねぇのか?」



唸る奴等に向かいボソリと呟いてみれば、この場全員の視線がオレに向けられた

最初は驚きのものだったが次第に猿と毛利…意外にも大谷の目に怒りが見えはじめる



「独眼竜の旦那は…姫さんをまだ疑ってるわけ?」

「睨むな。オレも小十郎も、もう疑っちゃいねぇよ」

「…しかし政宗様は、雪子が原因と仰いますか」

「まぁな、なんとなくだ」



オレらを受け入れる環境と知識があり、豊臣秀吉に似た兄を持つ…あまりにも条件が揃いすぎた

だが雪子は弱い女。戦えない女…優しすぎる女。あいつ自身に企みがないのは解ってる




「…………」

「あー…とりあえず今はさ、少し情報が入ったってことでいいじゃない、ね?」

「猿…テメェは暢気だな」

「足掻いても戻れるわけじゃないし。今できることを解る範囲でやるっきゃないでしょ?」

「…………(笑)」

「ちょ、なんで今、笑のカードを出すわけ風魔」

「猿のくせにまともなこと言ったからだろ?」



猿の「旦那酷い!」って叫びに、この場の緊張は解けた。できることをやる。それは当然で一番確実なことだ

雪子に呼ばれたというなら…それも上等



「しかし…大谷、アンタも怒るとはな」

「はて、われはいつも冷静よ」

「オレが雪子を疑ったようなこと言ったとき、ずいぶんご立腹だったじゃねぇか。Did you notice?」

「ヒヒッ…われは南蛮語は解らぬ。毛利、部屋に戻るとするか」

「…………」



フワリと逃げ出した奴と、もうひと睨みオレに向けた毛利は二階へ行ってしまった

…オレも行こう。小十郎に台所を説明してやらなければ



ただいま、と戻る雪子を迎えたとき。アイツはとても喜んだ





mae tugi

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