おはようの

朝、目が覚めた。

「おはよう、玲吾。」

目の前に兄貴が現れて俺の頬にキスを落とした。

「…おはよう。」

そういえばそのまま兄貴の本丸に泊まったんだっけ。むくりと起き上がり体を伸ばした。

そんなことより。

「兄貴、いつからいた。」

「え?一時間前だよ?」

ため息しか出ねぇ。

「玲吾の寝顔可愛くてついほっぺをつんつんしちゃった!」

嬉しそうに笑う。

「…はぁ…」

まぁ、いいけど。


「ねぇ、兄ちゃんにはしてくれないのか?」

兄貴は自分の頬を指でさしていた。

「今何時?」

「無視?!ひどい…もうお昼になる。」

昼…?

「っはぁ?!なんで起こしてくれなかったんだよ?!」

「起こしたくなかった!」

正直言うと思った。ごめん、と言いながら落ち込んでいる。

「…俺もごめん。」

身を乗り出して兄貴の頬にキスをした。

「玲吾ーっ!」

ガバッと抱きついた。

「重い…」

その後昼食をご馳走になって兄貴の本丸を出た。兄貴と緑紐の小夜左文字が中々俺の腕を離さなかったから驚いた。

みんな仲良くなったらしいしまた行けたら行こう。帰りはへし切長谷部の様子がおかしかったが、どうしたんだろうか。







そして今、大変なことが起きている。

「いいではないか。」

「よくねぇ、離せ。」

なぜか三日月宗近が審神者部屋に入ってきて布団を剥がそうとしてる。

「何なんだよ急に。」

壁にかけてある時計を見たら朝の五時だった。早っ。

「爺と一緒にお茶でもしよう。」

「強制?!」

必死に布団を取られないようにしているが力強すぎ。ジジイじゃねぇよ。

「寝かせてくれ、お願いだ…」

「…ふむ。ならば、きすとやらをしよう。」


「…は?」

何言ってんだ。

「確か主の兄は朝の挨拶をして頬に唇を当てていたな。」

「見てたのか。」

「ああ!起こしに行こうとしたんだが…何やら二人でやっておっての。」



「もしや、禁断の愛…というやつか?」

「違う。」

即答すると三日月宗近は目を見開いた。

「前に聞いたことがあるぞ。きすは愛情表現とな。」

まぁ、そりゃそうだろ。

「…なんつーか、三日月宗近が思ってる愛情ではなく、家族としての愛情だ。だから兄貴とのキスは深い意味はない。」

兄貴と一緒にいるときは毎回してくるから慣れた。

「ならば、俺もきすをしてもよいな。」

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