「陣内。なぁ、陣内」
「うっせーよ、お前」
「俺、わかったんだ」


竜崎が今まで俺の人生で役立つ情報を提供したことなんて一度もない。むしろ厄介な問題を抱えてやってくる。そういう男だ。



「聞きたくない」


「笹野は俺のことを好いている」


ほらな。
それにいつも俺の話なんて、聞きやしない。喧嘩売ってんのか？


「お前な」
「竜崎」
「はぁ？」

「俺の名は竜崎。お前いっつも呼び捨てだろ？」



コイツはなんて面倒くさい男なんだ。



「‥笹野さんは竜崎のことなんて好いてない」
「なんでお前にわかるんだよ」

‥コイツ。
今俺のこと呼び捨てにしたよな？



「さっき告白されたからだよ」
「お前が？」



「彼女は俺の彼女だ」



たまには、鼻を折ってやることも必要だ。ポッキリと。




「陣内のしたり顔がこの上なくムカつく」


そりゃどうも。







眩暈様提出
《竜崎》

present by空

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