パステルカラーを着こなすの



「けーいくーん!教科書貸してー!」

「うるさいんだけど」


迷惑だと言わんばかりの表情、まあいつものことだから気にしないけどね!蛍くんと私は幼馴染ってやつで小さいときから蛍くん大好きっ子だった私に嫌そうな顔をしながらいつも構ってくれる蛍くんが今でも大好きなのだ。


「蛍くん今日も可愛いね天使かと思ったよまあ実際天使なんだけどね」

「馬鹿なこと言ってないで教科書ぐらい持ってこれば」

「…てへ」


なんだかんだ言っても教科書貸してくれる蛍くんは本当優しい、口ではなんと言ったって優しさに溢れているのだ。たまーに言い方が悪くて揉めたりする時もあるけどね…。
やれやれと反省する気0な私を見てため息をつく蛍くん、ため息は幸せが逃げちゃうんだよと言えば誰かさんのせいでねと返ってきた。返す言葉もございませんとはこのことだね。


「それにしても蛍くんの髪さらさらだね」

「ちょ、」


開いた窓から入る風に揺れる髪が綺麗で一応女の子だから髪には気を使ってるけどやっぱり勝てそうにもない。ふわふわと触っていると蛍くんのストップがかけられた、んん…もうちょっと触ってたかったなあ。


「こんなことしてる暇があれば早く帰ったら」

「やばっ教科書ありがとう蛍くん大好き!」

「はいはい」


少し走りながら頬が緩むのを抑える。今日はいい日だなーなんて。



実は教科書忘れてなかったの、なんてね

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