フェリシアと



「───へっくしゅ!」
「大丈夫ですか〜?」
「うう、城内ってひんやりしてて、ずっといると寒いね。足裏からも冷えてくるし。フェリシアは大丈夫?」
「はい!わたしは氷の部族なので、寒いのはへっちゃらなんですよ!」
「氷の部族……?それって……」

腕を巻くってへっちゃらアピールをしてくれるフェリシアはとっても可愛い。が、聞き慣れない単語に首を傾ぐ。氷の部族とは。

「ふふふ、いきますよ〜」

と、フェリシアはおもむろに私の頬を包んだ。
細くて長くて、でも優しい柔らかさを感じる女性らしい指。
何をするのか訊ねる前に、頬に凄まじい衝撃を感じた。いきなりの事で頭が着いていけず目を白黒させて数秒、それが冷気だと分かる。

「ひぃああっ!?……い、今のってフェリシアが?」
「はい、氷の部族は冷気を自在に操ることが出来るんですよ〜!カムイ様の朝の気付けにも大活躍です!」
「そ、そうなんだ。すごい……でも冷やす前に一言言って欲しかっ……へぇっくしゅ!ふぇくしょい!」
「はわわ、すみません〜!今温かいお茶をいれてきますね!」


このあとお茶をぶっかけられました。





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「ねえ絵倉くん、フェリシアって戦いに出して平気なの……?」
「フェリシアは戦場じゃ機敏だよ。ドジのドの字も無いくらい」
「えっ」