誰が帰っていいと言った?と腕を掴まれ阻止される

晴矢は部活に私は教室に残って本を読んでいた

友達には『先に帰ってて』と伝えると『南雲君を待つの?このこのラブラブ見せつけるね』と言われたが『そ、そんなんじゃないよ』と言って友達と別れた

別に晴矢と約束なんかしてないし勝手に帰ったって何も言わないよ

私は自分で言い聞かせて本を読みはじめる

けど、その考えが逆手に取られるとは思わなかった


___________

「あ、もう帰らなきゃ」

本を読みはじめてからだいぶ時間が過ぎていて外を見ると薄暗くなっていた

本を鞄にしまい教室をでて玄関でローファーに履き替え玄関を出る

「少し見て行こうかな」

私はくるりと回りサッカー部が練習をしているグランドへ向かう

グランドでは、ヒロト君と晴矢がボールの取り合いをしていた

「負けず嫌いだね、晴矢は」

くすくすと笑ってから私は

「晴矢、頑張ってね」

と呟いて玄関へと向かおうとした次の瞬間だった

ぐい

「えっ」

私は腕を引かれ正面を見るとそこには先程ヒロト君とボールの取り合いをしていた晴矢がいた

「な、何で!!」
「驚きすぎだろ」
「そんなことより練習してたんじゃ」
「してるけど。それより、何処行こうとしたんだよ」
「はぁ?か、帰るに決まってるでしょ!!子ども達だって瞳子さんも心配してるし」

私は腕を離そうとするが晴矢の力では無理なわけで

すると、晴矢がいつかのみたいに私の耳元で



『誰が帰っていいと言った?』


晴矢は部活そっちのけにして私の腕を離そうとせず私をずっと見る

後ろではリュウジ君とヒロト君と風介君が見ていた

「や、約束なんかしてないじゃない」
「それでも俺達は恋人同士だろうが。言わなくても分かれ馬鹿」

晴矢はそう言ってキスをした







(晴矢には後で聞かなきゃね)
(晴矢め。少しは部活に集中しないか)
(全くだよね)

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